安曇野市議会 > 2022-09-14 >
09月14日-04号

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  1. 安曇野市議会 2022-09-14
    09月14日-04号


    取得元: 安曇野市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 4年  9月 定例会          令和4年安曇野市議会9月定例会議事日程(第4号)                  令和4年9月14日(水曜日)午前10時開議第1 市政一般に対する質問   大竹啓正議員   増田望三郎議員   臼井泰彦議員   林 孝彦議員   増井裕壽議員   小林純子議員---------------------------------------出席議員(22名)   1番  矢澤毅彦       2番  中村芳朗   3番  大竹啓正       4番  増井裕壽   5番  岡村典明       6番  辻谷洋一   7番  橋本裕二       8番  臼井泰彦   9番  小林陽子      10番  松枝 功  11番  竹内秀太郎     12番  中村今朝子  13番  林 孝彦      14番  井出勝正  15番  増田望三郎     16番  猪狩久美子  17番  召田義人      18番  内川集雄  19番  宮下明博      20番  小林純子  21番  一志信一郎     22番  平林 明欠席議員(なし)---------------------------------------地方自治法第121条の規定により説明のため出席した者の職氏名  市長     太田 寛     副市長    中山栄樹  教育長    橋渡勝也     総務部長   平林洋一                  市民生活  政策部長   渡辺 守            山田真一                  部長                  保健医療  福祉部長   鳥羽 登            吉田美千代                  部長                  商工観光  農林部長   赤澤哲也     スポーツ   野口武史                  部長  都市建設            危機         今吉 聡            児林信治  部長              管理監  上下水道         堀内寅生     教育部長   矢口 泰  部長                  政策経営  総務課長   丸山修一            黒岩一也                  課長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長   沖 雅彦     次長     青木規素  議事係長   細田ユカリ--------------------------------------- △開議の宣告 ○議長(平林明) 令和4年9月14日水曜日、安曇野市議会9月定例会一般質問3日目を行います。 ただいまの出席議員数は22名で、定足数に達しております。 よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元の議事日程第4号により進めてまいります。 また、本日の一般質問に伴う議員からの配付資料は、お手元と傍聴受付に配付してありますので、御報告します。                             (午前10時00分)--------------------------------------- △市政一般に対する質問 ○議長(平林明) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。 本日の発言通告者は、3番、大竹啓正議員、15番、増田望三郎議員、8番、臼井泰彦議員、13番、林 孝彦議員、4番、増井裕壽議員、20番、小林純子議員の以上6名でございます。 御報告申し上げました順序により発言を許します。--------------------------------------- △大竹啓正 ○議長(平林明) 最初に、3番、大竹啓正議員。持ち時間は30分以内といたします。 大竹議員。     (3番 大竹啓正 登壇) ◆3番(大竹啓正) 3番、大竹啓正でございます。 通告に基づきまして、3件の質問をさせていただきます。 まず最初、元首相国葬の市の対応について伺います。 憲政史上最長内閣総理大臣の重責を担い、国政選挙期間中凶弾に倒れた安倍元総理大臣の国葬が、今月27日、挙行されます。事件後、即刻世界259か国、1,700件以上の弔意が送達されました。各国のメディアは事件内容と元首相の功績を称賛し、大きく報道されたと聞いております。今までの日本の政治家の中でこれほどまで卓越した外交感覚を持ち、その手腕を遺憾なく発揮し、国際的に認知され、各国首脳の信頼を集めた存在がありましたでしょうか。国力低下が著しい我が国の国際影響力を保持した実績、その功績は日本外交史にさん然たる足跡を残したことは疑いようのない事実でございます。 最近、狂信的宗教団体の関係を取り沙汰されたこともありまして、国葬に対する賛否の議論が白熱しておりますが、現在の我が国の置かれた状況、すなわちエネルギー資源の調達が困難を来すことは明白でございます。国内の原発のほとんどが稼働できない状況の中、エネルギー資源が輸入困難になり、電力供給に支障を生ずれば、堺屋太一のいわゆる「油断!」が現実となり、即国民生活に壊滅的な被害をもたらします。何としてもかかる事態を防ぎ、国民の生命、財産を守ることが政治に課せられた使命であります。経済力の衰退とともに、我が国の国際的影響力が消滅しつつある現実を直視し、国葬参列の世界195か国、81に上る国際機関の歴々が一堂に会する千載一遇のこの機会を捉え、文字どおりの弔問外交を最大限機能させ、この危急の課題を解消し、さらに我が国の国際的地位の回復を願うは、元首相の遺言とでも言うべきでありましょう。 国益を守るこの国葬の意義であります。民主主義の根幹をなす選挙期間中に行われた凶行であり、民主主義に対する重大な挑戦であり、暴力に屈することなく、民主主義を守る戦う姿勢を宣明するのがこの国葬であります。内閣は、強制はしないとのことですが、国葬に際し、当市としての弔意の表し方についてお伺いします。総務部長、お願いします。 ○議長(平林明) 平林総務部長。 ◎総務部長(平林洋一) お答えいたします。 7月8日、奈良市で街頭演説中に銃撃されてお亡くなりになった安倍晋三元首相の国葬儀が、9月27日に挙行されます。この国葬儀につきましては、岸田総理大臣が国会の閉会中審査におきまして説明をされたところでございます。今現在、この国葬儀については、国などから協力等の要請はいただいておりません。今後、要請があった場合には対応を検討してまいりたいというように思います。 なお、参考ではございますが、令和2年10月17日に中曽根康弘元首相の内閣自民党合同葬が挙行されております。当時、総務省から哀悼の意を表するよう要請をいただきました。しかし、その際には、安曇野市では特に対応しなかったという経過がございます。 なお、松本市、塩尻市についても同様であったというようにお聞きをしております。 以上です。 ○議長(平林明) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) お答えいただきました。 国益に沿う形でぜひ慎重に御審議いただいて、お願いをしたいと思います。 次にまいります。 安曇野赤十字病院支援についてお伺いいたします。 この年になりますと、いつ何どき体調不良に陥り、医療機関のお世話になるやもしれぬことを考えますと、最も身近にあります安曇野赤十字病院のことに苦言を呈することははばかり極まるところではございますが、地域医療の中核をなし、市民病院としての位置づけをされているところ、将来にわたり地域住民の医療福祉の拠点として機能を発揮することができるように願いまして、勇気を持って質問を行います。 今回、安曇野赤十字病院に対し、約5,000万円の財政支援発表を機に、市民から多くの声が寄せられております。今後の医療提供に関する不安、同病院から受けた不快な思い、新型コロナ禍の中でも近隣病院の黒字化、同列の諏訪日赤、長野日赤との比較による経営的な不信感と様々であります。それに、従前からの風評も決して好ましいものではありませんでした。経営不振も今までの評判が影響しての患者意識の動向に起因しているのか、しかしながら、悪評が全てを凌駕する危険性を有し、よいことも好ましいことも全てを埋没させ、事実以外の風評を増幅させがちであります。その傾向を防ぐため、多くの市民に正確に実情を考察いただければと思いまして、ここに自分自身の経験からお話をいたします。 ある日曜日の夕刻、手にけがをいたしました母親を同病院に運び込んだときのことでございます。電話での問合せでは、当直は外科ではないとのことでありましたが、内科ではない限りその程度の手当ては可能と思い、当直看護師に相談して、了解の下、同病院に向かいまして、くだんの当直医に委ねたわけです。あまりにも時間を要して不思議に思っておりますと、そこに「こんなやつの手に負える状態でないから俺が来てやった」と、ある医師が入ってまいりました。片道50分の道のりを休日の夕刻時、休息中であろうところからわざわざ駆けつけ治療を施してくれ、彼のおかげで事なきを得ました。口は悪いですが腕は確かであろうし、医療に対して並々ならぬ使命感を持ち、慈愛に満ちた心根を感じさせる医師が所属しております。 また、私自分自身の経験でも、明け方に激痛で目が覚め、救急外来に駆け込みました。運悪く、当直は専門医ではありませんでした。そのため、取りあえず痛み止めの処方までで、専門医の出勤する8時半まで我慢せねばなりませんでした。その間、痛みにもだえている中、当直看護師は、救急外来でただ一人にもかかわらず、完璧に処置をして、しっかりと寄り添い、励まし続けてくれました。こんなにも使命感を持ち、よく気が利く男性看護師の存在に感動いたしました。よいこと、正当なことは当たり前のこととして埋没して人々の意識には残りにくいため、このようなすばらしい人材の存在をあえて力説しておきます。 ただ、反面、これも自身が遭遇した事例でありますが、骨折入院し、退院後、初の外来診療日、予約時刻から2時間半放置されました。担当医が救急搬送された患者の処置に当たっていたとのことでありました。受付の職員は、痛みが出て動けない状態で一人取り残されているにもかかわらず、声一つかけることはありませんでした。遅くなって心配して迎えに来た妻が、119番で救急要請すればよかったのに、冗談ともつかぬ言葉ですが、これは後日の笑い話でありました。入院時、病棟では極めて心地よい看護を受けることができましたので、天地ほどの差を感じながら、強くは苦情は言えませんでした。 また、母親が手術室に搬入される折、別人のカルテを持ってきたことがあり、居合わせた旧豊科町で医療に関わる業務に携わった者が、「建物は新しくなったが中身は旧態か」の一言が脳裏に残っております。建物が新しくなったとはいえ、待合室のど真ん中に巨柱が林立し、幾ら免震構造とはいえ、一流と言われている建築設計会社が絡んだ産物かと思うほどであります。当然のことながら、来院患者の不満は生じます。これは現在の病院関係者の責任に帰するものではありませんが、一連の不信の案件に含有されてしまいます。 この私の実体験を持って感じたことで、有能な人材も多いけれども、何らかの原因で歯車がかみ合わない状態を引き起こしていると思われます。何らかの対策ですばらしい機能を発揮できる病院であると思っております。医療機関の運営におきましては、常に難題を抱えていることも事実でございます。医療もサービス業の分類と言われて久しく、医は仁術では通用しなくなり、さりとて算術に特化されても困るわけです。診断装置の高価格化、不採算診療科目の維持など、病院経営には予想以上の財務負担があります。地域医療を支えるには、ある程度地域の費用負担も必要であろうかと思います。県内の赤十字病院におきましても、地域自治体の支援を受けて運営しているところもあると聞いております。ただ、病院の自助努力の余地がないわけではなく、利益の上がる人間ドックの拡充でありますとか、患者を呼べる看板医師の招聘、全職員が患者の立場での信頼を得られるような行動の研究でありますとか、様々ございます。地域医療体制を維持する重要性を、地域住民の理解の下に、行政も財務のみならず、有名医師招聘及びその移住の手伝いですとか、病院に対する協力が重要と考えておりまして、質問をさせていただきます。 まず、1番目ですが、今回、安曇野赤十字病院に対して約5,000万円の財政支援の要請、2年間の赤字7億円に上るという、市の完全な管理下にないとはいえ、病院建屋建築の際に三十数億円の拠出をしており、今回の要請には原因と細目の報告はあったでしょうか。保健医療部長にお願いします。 ○議長(平林明) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 安曇野赤十字病院では、地域に開かれた病院経営に資するよう、医療関係者や各団体の代表で構成される運営協議会を年に数回開催しております。安曇野市からは、副市長と保健医療部長が委員として出席をしております。 なお、今年の6月からは、市長が運営協議会の会長に就任しております。 協議会では、経年的な医業収支などの経営状況の報告や見通しも示されております。安曇野赤十字病院の監査についても、安曇野市が立会いをし、細かな経営状況も確認しております。これらを通じて病院の運営状況を把握しています。提出された資料についても、疑問な点があれば確認するなどの対応をしております。今年度の運営協議会では、病院改築以降、医療収益も徐々に上がり、経営も改善に向かっておりましたが、新型コロナウイルス感染症の発生により、入院や外来の患者数も減少し、厳しい経営状況となったとお聞きしております。 このような状況ではございますが、安曇野赤十字病院では、経営改善に向けて令和3年度は医師も増員され、それにより総合診療科や循環器内科の受入れ体制の強化を図るなど、努力もしていただいている状況でございます。 以上です。 ○議長(平林明) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) お答えをいただきました。 2番目になりますが、重複するような質問で申し訳ございませんけれども、通常、市としましては、同病院との関わりはどのようにされておりますか。副市長にお願いをいたします。 ○議長(平林明) 中山副市長。 ◎副市長(中山栄樹) それでは、お答えをさせていただきます。 安曇野赤十字病院は、市内唯一の医療法第31条に規定されております公的医療機関として、医療・保健・福祉など、様々な分野において市民病院的な役割を担っていただいているところであります。市民が安心して生活をしていく上でも医療体制確保は重要な課題のため、今までも連携をしてきておる中であります。病院の外来患者の75%以上が安曇野市民であります。例を言いますと、令和元年は8万8,000人、令和3年はコロナの関係もありますけれども、7万8,000人の市民が安曇野赤十字病院でお世話になっているところであります。また、松本医療圏内の二次医療機関として、松本圏域内では2番目に多くの緊急の病気の方々を受入れていただいております。 安曇野市では、通常の業務以外にも安曇野ハーフマラソン医療救護訓練などの市の事業にも積極的に協力をいただいており、お願いをしてきているところであります。また、新型コロナウイルス感染症発症以降は、コロナ患者の入院の受入れや発熱外来の開設、また、安曇野市が運営しているPCR検査センター、さらに集団接種にも全面的に御協力をいただいております。PCR検査につきましては、安曇野日赤でも開所からもう1,000人以上の、安曇野市民の方々にPCR検査を実施していただいております。今までも民間医療機関では提供困難な医療や不採算医療を担っていただいておりまして、さらに今回のような災害とも言える状態でも混乱なく対応できたのも、安曇野赤十字病院の全面的な協力によるところが大きいと思います。市内のほかの医療機関の皆さんも一緒になって御協力をいただいておるところであります。 安曇野赤十字病院では、今まで患者サービスの向上と経営改善を目指し、適正な人員配置やコスト意識の徹底、患者受入れなど、経営改善計画に基づき、内部で院長を先頭に努力していることを、私は平成30年から運営協議会に行っておりますけれども、日々感じておるところであります。先ほども述べましたけれども、医療法に基づく公的医療機関として認知されているところでありますけれども、一部の議員さんから日赤に対して大変厳しい御意見もあったとお聞きしております。そういう中でありますけれども、くどくなりますけれども、公的医療機関、市民的病院ということで、ぜひ御理解を願いたいと思います。 以上であります。 ○議長(平林明) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) 詳細にわたって説明をいただきました。ありがとうございました。 3番目にまいります。多少重複するような質問で恐縮ではございますけれども、2年度、7億8,000万の返済を要することも含め、市民から同病院に対する不安の声があります。通常業務の継続、二次救急医療、医師確保の問題であるとか、組織統治を不安視する向きもあり、財務経営面に市としての関与は可能か、これを保健医療部長にお願いします。
    ○議長(平林明) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 安曇野赤十字病院運営協議会においては、経営状況だけではなく、現状分析や今後の見通し、課題やその対策などについても検討がされています。安曇野赤十字病院公的医療機関として信頼され、安定的運営ができるよう、市でも経営改善などに向けて意見を申し上げております。先ほどもお答えいたしましたが、6月から市長が運営協議会の会長に就任しておりますので、後期の運営協議会には市長が会長として、また、副市長と保健医療部長が委員として出席することとなっております。上半期の経営状況を確認するなど、今まで以上に連携を密にして財務経営面の関与をしていきたいと思っております。 以上です。 ○議長(平林明) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) お答えいただきました。 4番目にまいります。 市長にお伺いをいたします。 地域医療の中核を担う同病院には、市民のため良質な医療の提供を、それと周産期医療の確立、それと市民の健康生活の向上を期待いたしまして、安曇野市の好印象維持のためにも、安曇野赤十字病院の末永い存続を願いまして、市として財務経営統治面、医師確保等の支援の意向をお伺いします。 ○議長(平林明) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 安曇野赤十字病院は、市内唯一の公的医療機関といたしまして、前称の豊科赤十字病院以来、長年にわたりまして医療・保健・福祉など様々な分野において、言わば市民病院的な役割を担ってきたところであります。市民のアンケートでも、医療体制については9割の方が重要、やや重要と回答しておりまして、市民の皆様の医療体制に対する関心の高さがうかがえるところでございます。少子高齢化でございますとか、医療の高度化、また医師不足など、医療を取り巻く情勢に多くの課題がありますけれども、現状の病院機能を維持、発展していくことは安曇野市民にとっても必要であると考えます。また、将来発生するかもしれない地震等の災害時の対応を考えた場合、市の中心地における中核的病院の存在は必要不可欠であると考えております。 医療体制確保のためには、長期的な視野を持って状況を確認し、必要に応じた支援をしていくことが必要と考えております。安曇野赤十字病院運営協議会の会長、今年の6月から引き受けまして、まだ協議会そのものには私は出席しておりませんけれども、後期は出席いたします。今後も病院の経営、あるいは対応などにつきまして、引き続き確認をして安定的な運営ができますよう、また、市民を含めた患者に対する温かい対応など、市としてできる支援をしてまいりたいと考えております。特に経営の改善につきましては、現状や課題、取組状況を確認し、関与してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) 市長から強い決意を述べていただきました。私もこの歳になりますと、身近に頼れる医療機関、ぜひ欲しいと、その思いから質問をさせていただきました。 次へまいります。 害獣対策と狩猟者育成についてお聞かせください。 自然界の食物連鎖の最上位に位置するものが消滅しました現在において、生息地を追われたばかりでなく、特定の個体が異常増殖したことにより、人間の生活圏に侵入していると言われております。作物、人畜に危害を加えるものは、野菜、果物、その他、人間の食物の味を知り、警戒心を薄めた特定の個体であると言われております。高齢化の進行に伴い、害獣にとっては警戒の必要のないことを学習し、さらに人里に出没する頻度を増しております。このまま放置を続けると、人間の生活圏との境界がなくなってしまうおそれがあります。また、ニホンジカの食害も問題とされ、自然災害をも誘発しているということでございます。電気柵の施設の対策も講じておりますが、個体数が増加すれば防ぐことが困難であることは自明であります。 いろいろな問題はありましょうが、対策は駆除することでありましょう。駆除には猟友会に頼るところでありますが、御多分に漏れず、高齢化の問題を抱えております。問題解消には相応の努力をされておるわけですが、非常に難題であります。狩猟人口そのものを増加させることで解決できるとは思いますが、天敵が消滅し、増え過ぎた害獣の駆除に使命感を持って狩猟を志そうとしても、人間が神の領域に踏み込むものではないでありますとか、日本人特有の宗教観であります殺生を忌み嫌う信条にとらわれ、狩猟の道に踏み込めずにいるため、狩猟人口の増加にならないという話は全国的な傾向と言われております。これらの障壁を乗り越え、狩猟人口を増やせないかを思い、次の質問を行います。 1番目です。鳥獣による被害は、その個体数の増加が主たる原因と思われます。人里に出没します害獣は、人家及び作物の味を知り尽くし、警戒心を薄くした特別な個体であると言われております。これらの駆除は殺処分が妥当であり、猟友会に頼らざるを得ません。現在、会員の高齢化が顕著でありまして、若返りが喫緊の課題と言われております。打開策は狩猟人口の増加に尽きると思いますが、現在取られている対策はございますか。農林部長にお願いいたします。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 有害鳥獣駆除につきましては、年間計画の駆除頭数を目標に約600万円で安曇野市猟友会に業務を委託しております。ツキノワグマの出没対策も、安曇野市猟友会に対応別の単価契約により業務委託を、学習放獣につきましては、信州大学に業務委託をしております。そのほかの獣害対策につきましては、猟友会による駆除だけでは被害を防ぐことが困難なことから、農作物被害軽減の補助として鳥獣駆除装置、防鳥ネット、侵入防止柵、エアガン等の購入に対する補助も行っております。区と地元の皆さんの共同施工による侵入防止柵を設置する場合に、資材の支給を行うとともに、その維持管理費として年額1メートル当たり電気柵30円、金網柵24円の補助も行っております。その他、モンキードック育成への補助や緩衝帯整備といたしまして枝払いや草刈り等を行い、対策を講じている状況でございます。 ○議長(平林明) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) お答えいただきました。 ぜひ行政としてもできる限りの御助力をいただければと思います。 2番目にまいります。 若干重複するような質問で恐縮ですが、新たな狩猟者養成のため、狩猟免許取得の助成措置等がございましたらお聞かせください。これも農林部長にお願いします。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 免許取得の助成につきましては、銃砲の所持、許可取得に必要な経費の2分の1以内で上限3万円を、わな免許取得に関しては、同じく上限3,000円を補助させていただいております。どちらも新たに銃免許、わな免許を取得した方であって、市猟友会へ加入し、有害鳥獣捕獲に従事していただける方への助成となります。令和3年度は5名に補助をさせていただきました。そのほか、有害鳥獣捕獲に従事される猟友会員に対し、年度ごと捕獲活動に必要な経費の2分の1以内で上限1万円を補助し、対象会員の負担軽減を図っております。里山再生計画推進の取組「さとぷろ。」では、猟友会協力の下、狩猟への理解や新規狩猟者の確保を目的にハンターに関するイベントを開催しており、今後も新規狩猟者への助成内容等も含め、広く周知に努めてまいります。 ○議長(平林明) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) お答えいただきました。 有害鳥獣駆除に限らず、狩猟者人口を増加させるということも非常に大事だと思いますので、有害鳥獣駆除対策のみならず、広い意味での森林保護ですとかそういう立場から、もう少し一般にも門戸を広げた助成策も御検討いただければと思います。 3番目になります。 日本人の宗教観から殺生を忌み嫌う気持ちが生じます。狩猟者養成のための精神面の擁護の講習等の計画はございますでしょうか。これも農林部長、お願いします。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 生き物を殺生することに抵抗があり、狩猟免許取得をちゅうちょしている方、免許は所持していても実際に猟をしないペーパーハンターがいらっしゃると聞いております。安曇野市としては、狩猟者を養成するに当たり、殺生に対してのケアや講習等は行っておりませんが、狩猟者を目指すためのテキスト、狩猟読本には、狩猟は野生鳥獣を捕獲するという行為であるが、野生生物の営みに対する深い理解と感謝の念があって初めて成立するものと記されております。狩猟は結果として野生鳥獣の命をいただくことになりますが、単なる捕獲殺生ではなく、有害鳥獣の個体数調整など社会的役割が増大していることを御理解いただき、新規狩猟者として安曇野市の有害鳥獣対策に御協力いただければと思うところであります。 ○議長(平林明) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) お答えいただきました。 ぜひそういった意味、進行させていただければと思います。 4番目になります。 狩猟者の育成、技能維持に必要とされます中信国際射撃場の機材更新の進捗状況はいかほどでございましょう。これも農林部長にお願いします。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 中信国際射撃場における機材更新事業の事業主体は、安曇野市猟友会であります。猟友会に確認をいたしましたが、現在、事業着手に向け、業者決定する見積り入札を9月15日に実施するということでありました。安曇野市では、猟友会による機材更新に対する支援といたしまして、事業費のうち国庫補助残額の2分の1を負担するとして予算措置をしております。 ○議長(平林明) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) お答えいただきました。 ぜひこちらのほうも、維持、大変かと思いますので、ぜひ支援ができることがありましたら今後もよろしくお願いしたいと思います。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。--------------------------------------- △増田望三郎 ○議長(平林明) 次に、15番、増田望三郎議員。持ち時間は20分以内といたします。 増田議員。     (15番 増田望三郎 登壇) ◆15番(増田望三郎) 15番、増田望三郎です。 通告に従い一般質問をいたします。 なお、議長了解の下、資料を配付しています。 今回は、「安曇野における持続可能な農業への転換~学校給食の有機米を端緒に~」というテーマで質問いたします。 国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、世界の国々が様々な分野で取り組んでいます。農業分野においても、気候変動の影響で自然災害が頻発し、安定した農産物供給が脅かされており、農林水産業による環境負荷の軽減と地球環境の維持が求められています。 そんな中で、2021年5月、農水省は「みどりの食料システム戦略」、以下、「みどり戦略」と言いますを策定しました。この戦略は、農林水産業全体の生産力をやみくもに増やすのではなく、持続可能性と矛盾することなく高めていくことを目標としています。具体的には、2050年までに化学農薬の使用量を50%低減、輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を30%低減、耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を現在の0.5%、2万ヘクタールから25%、100万ヘクタールに拡大するという野心的な数値目標を設定しています。 化学農薬や化学肥料を多用する、いわゆる慣行農業をなぜ見直す必要があるのか、その理由として、化学肥料の原料は原油、天然ガスなど化石燃料が使用され、脱炭素の流れに逆行すること、また、原料のほぼ100%が中国やカナダなど海外輸入に依存すること、そこに今回のウクライナ情勢や中国の輸出規制を原因とした肥料高騰による生産コストの上昇が追い打ちをかけています。このような食料戦略はアメリカやEUが一足先に策定し、日本でも地域の将来を見据えた持続可能な食料システムの構築が急務という判断から追随しています。これが農業分野での世界的な情勢であり、日本の農業も転換期を迎えています。そこで、農業立市のまち安曇野の農業は持続可能なのか、化学肥料を多用する慣行農業が主流である本市の農業もみどり戦略に沿って持続可能な農業への移行を進めるのか、それが今回の質問の本旨です。 では、最初の質問、国のみどり戦略について、市長がまずどのように認識されているのか、その背景と必要性も含めて言及いただきたい。お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) みどりの食料システム戦略につきましての御質問にお答えしたいと存じます。 質問にありましたとおり、昨年5月に国はみどりの食料システム戦略を策定したところでございまして、まず、この背景としては、質問の中にもございましたけれども、生産者の減少、それから高齢化、そして地球温暖化に伴う自然災害の頻発、あるいは近年のコロナによります流通方式の変化、さらに環境負荷の低減の必要性、こういったものがあるわけでございます。この課題を解決していかないと、日本の農業そのものの継続が危ぶまれるということがこの背景にあったものと思っておりまして、食料、そして農林水産業の生産力向上とその持続性の両立というものをこの戦略は目的としたものと考えております。 感想を申し上げれば、この戦略はやや遅きに過ぎたというのが私の正直な感想でございまして、少なくとも30年前、40年前からこれに対する危機意識があったわけで、様々なところで議論が起こされていたわけでございます。そうはいっても、今回国がこういう戦略をつくったことはよいことだという具合に受け止めをしまして、安曇野市におきましても対応していかなきゃいけないという具合に思っております。 安曇野市では、このみどりの食料システム戦略を踏まえまして、第3次安曇野市農業・農村振興基本計画を策定いたしまして、今年の4月からそれを動かしております。このみどりの食料システム戦略に先立ちまして、一昨年の3月には、閣議決定といたしまして食料・農業・農村基本計画がございました。今申し上げました市の安曇野市農業・農村振興基本計画の第3次はそれも踏まえたものとなっております。この第3次計画、農業の経営基盤の強化、それから農業のサプライチェーンの複合化を、計画的に推進することとしております。安曇野市の農村、農業、これを次世代に継承いたしまして、農業そのものを持続していくためには、このみどりの食料システム戦略の達成に向けました国の取組を注視しまして、これらの国が行う事業、これを市の施策に積極的に活用し、取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 遅きに過ぎたという言葉がずどんと入ってきているんですけれども、みどり戦略が出された社会的背景、必要性、今市長が言ったとおりです。本市の農業は実際どうなっているのかと、化学肥料や農薬が高騰している昨今、市の農業はどう影響を受けているのか、これは農林部長、お願いします。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 肥料価格につきましては、令和3年当初から上昇が続き、昨今の世界情勢からもその価格が下がることはないと思われます。全農発表によります春肥と秋肥の比較でも、プラス25%からプラス94%と高騰している状況にあります。農家におかれては、最低限の施肥とするなど努力をされていると伺っておりますが、農業資材等の高騰も併せ、影響は避けられない状況と認識をしております。私自身も農家の皆さんの声を伺いましたが、来年度、5年度になりますけれども、この春肥については、原料の在庫不足からさらなる高騰が懸念されるというようなお話も伺っております。 このような背景から、全国的な問題でもあり、安曇野市といたしましても、国・県の対応状況を注視してまいります。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 増加する生産コストと上がらない農作物の値段ということで、このままだと農業を続けられない、そんな声も私も農家さんから聞いています。 さて、持続可能な農業の在り方を議論するに当たり、避けて通れない点があると、それは、慣行農業による生物多様性や地下水への影響です。今回の質問に当たり、減農薬や有機栽培を実践する市内の米農家、果樹農家に話を聞きました。皆同様に言っていたのは、生物の多様性のある農村環境を守りたい、良質な地下水を守りたいという思いでした。農業における持続可能性とは、脱炭素や海外依存からの脱却だけでなく、安曇野の生物環境、水環境についても考慮すべきなのです。そこで、化学肥料と安曇野の宝である水との関係について確認します。 配付した資料を御覧ください。 まず、左側、平成23年度の硝酸態窒素の水質調査の結果です。これは三郷地域。硝酸態窒素は化学肥料に含まれる成分で、飲料水などに多く含まれると血液の酸素運搬能力を阻害するメトヘモグロビン血症を引き起こし、人の健康を害するおそれがあると、市の調査では、これは左側ですね、科学的手法により窒素の起源を特定しており、三郷地域の各所の硝酸態窒素は化学肥料由来によるものが多いと結論づけています。この青いところですね。 次、右側、これは市が年2回行っている地下水調査のデータです。硝酸態窒素の基準値は1リットル当たり10ミリグラムですが、それに近い高い数値が続いています。特に赤丸での囲み、25年9月、10.0、平成27年9月、10.5というように、基準値の10ミリグラムかそれを超えている。最新3年度の地下水調査の報告書には、次のような記載があります。硝酸態窒素の供給起源は、一般的に畑、果樹園等に用いられる窒素肥料や畜産関係の排水とされており、調査の結果でも、硝酸態窒素濃度の高い井戸は耕作地帯の広がる三郷地域から堀金地域一帯に多く分布していると。我々安曇野市民は地下水を飲んでいるんですよね。地下水をくみ上げる地点の値はここまでは高くないという聞き取りのときの話がありましたが、とても心配です。 これらの調査から、市は硝酸態窒素が高い原因が化学肥料由来であることを認めますか。まず、これは市民生活部長にお聞きします。23年度調査では、その原因が化学肥料によるものだと判明しましたと書いてあります。今毎年行われている地下水調査で同様の判断ができるのか、もし判断できないんだったら、あれから10年たって化学肥料の影響はどう変化しているのか、大学など研究機関に調査解析を依頼すべきではないでしょうか。お願いします。 ○議長(平林明) 山田市民生活部長。 ◎市民生活部長(山田真一) まず、認めるかということでございますが、平成23年度の調査で6割から7割化学肥料由来と推定されたということでございます。場所によっては動物性由来、動物性由来には有機肥料も含まれておりますが、5割以上と高いところもあります。また、井戸の深さによっても数値が異なっております。由来が大別されているだけで、それぞれ具体的に何によっているのかまで把握できているわけではございません。改めて調査することについてですが、さらに詳細な分析が可能か、調査地点の選定も含めて研究機関等と相談し、考えてまいります。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) すみません、再質問です。 この資料は市民生活から頂いた資料ですけれども、原因は化学肥料由来によるものが多いと判明しましたということなんですけれども、これをもって原因だというふうに言えないということですか。 ○議長(平林明) 山田市民生活部長。 ◎市民生活部長(山田真一) 提示していただきました資料の左、平成23年度の調査結果というところで、青と赤、それから緑で1つのグラフになっておりますけれども、その1つ1つの地点におきまして6割から7割が化学肥料由来だと、残りの3割、4割が堆肥や畜産排水などの動物性由来、有機肥料も含まれますが、そちらに由来するものがそのぐらいの割合だろうと、そういう結果が示されているということでございます。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 改めて詳細な調査解析をしていただきたいと思います。 農林部長にもお聞きします。農政としては、この2つのデータ調査結果をどう捉えているか、また、今回環境課が新たな調査を行うというふうになった場合、農家肥料との因果関係の有無が判断できるように、調査段階や解析について環境課と連携していけますか。これもあえて聞かなきゃいけない質問かどうかですけれども、当然連携してほしいんですけれども、その点もしっかりとお願いします。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) この件につきましては、判断する根拠を持ち合わせていないことから、関係性については断言ができません。現在、施肥基準に基づく適正な施肥を行っていただいていると認識しております。現状の農業体系を維持するには、化学肥料や農薬を使用する現行の栽培手法はやむを得ないことと思いますが、環境負荷の低減など環境保全意識の高まりに対して、その使用については安曇野市としても農業者と共に考えていく必要はあると捉えております。 このことから、国の新規事業である産地パワーアップ事業の生産基盤強化対策、全国的な土づくりの展開、この実施に係る経費を6月補正で予算化し、一部圃場において土壌診断を経た減化学肥料と有機堆肥の活用による土づくりを支援する取組を始めております。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) ごめんなさい、後半の環境課と連携するかという大事な部分。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 当然、部局内で相談をしながら進めてまいりたいと、そのように考えます。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 次は、太田市長にお尋ねします。 これまで議論した観点から、化学肥料を多用する市の慣行農業は持続可能でしょうか。このように、市の地下水も一部においてですが、水質は危機的な状況にある。それから脱却するためのみどり戦略なのですが、市でもみどり戦略に沿った方向、すなわち化学農薬や化学肥料の減、有機農業の拡大という方向へかじを切るのか、先ほど農林部長はやむを得ない状況もあると、一方で、市長は遅過ぎると先ほど言われましたけれども、もう一度この部分についてお願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 遅過ぎると言ったのは、国の方針を出すのが遅いと言ったわけでございます。 それで、この問題の非常に難しいところは、いわゆる有機農業、それから化学肥料を減らす、使わない農業、これは非常にいいことなんですが、実際には農業生産の現場においては非常に手間がかかるんですね。私の友人にもずっと有機農業をやっている、多分増田議員も御存じの方がいらっしゃいますけれども、非常に手間がかかる。ですから、これは今の高齢化した農業生産者にそれをやれやれというのはなかなか難しいな、これが正直な感想でございます。ただ、幸いにして、国がこういった形でシステム戦略に基づきまして様々な施策を打ち出すと言っておりますので、先ほど申し上げましたように、市としては、そういった国が示し、また県も示すであろう施策と市の方向性、一致させるものとして取り組んでいかなきゃいけないという具合に思っています。 今ほどもちょっと申し上げましたが、有機栽培にシフトしていく前提は、生産方法、これの選択のこともございまして、さっき申し上げたような全ての生産者にこれをやってくれというのはなかなか難しいということは、さっき多分農林部長がお答えしたところと重なることだという具合に思っています。それともう一つは、有機農業の場合、若干生産した後の販売価格が高めになるというのが現実でございまして、これについては消費者の意識の拡大、それから流通経路、この問題も考えなきゃいけないと思っております。特に有機農法をやられている方におかれては、現時点においてもその農産物を、例えばインターネットとかそういった従来の流通経路とは異なる方法で動かしている方、随分いらっしゃいます。それぞれの状況に応じた支援を行うことが必要であると認識しておりますので、最終的な目標は一致するものの、急速にこれをしましょうというのはなかなか難しいのが正直なところでございます。 有機栽培に取り組む生産者の拡大のためには、今申し上げました販売等を含めた出口戦略を考えていかなきゃいけないと思っておりまして、段階的でございますが、政策はシフトするということになると思っております。 以上です。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 栽培技術の部分と出口の部分と、これはこの後、後段で議論したいと思います。 やはり現状もある中で、どうそのバランスを取ってやっていくか、しかし、はっきりと目指すところはやはりこちらの方向だということは、市長の中でもはっきりとされているということでいいでしょうか。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 中長期的にはそういう選択しかあり得ないと思っております。あるいはまた、化学肥料の中で、今申し上げたような自然に対する悪影響を減少する何かがあればまた別でございますけれども、現状においては中長期的にはその方向に行く、これはまさに国のみどりの戦略と一緒でございますので、そう思っております。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) では、具体編に入ります。 先ほどもちょっと話が出ましたが、市の第3次農業・農村振興計画の中での有機農業の位置づけと、計画に対し実際の市の有機農業の実情はどうなっているのか、栽培面積、栽培者数等、数値でお願いします。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 安曇野市第3次農業・農村振興計画では、環境を重視する国内外の動きに対応するため、循環型社会への転換を推進する方向としております。具体的に市で把握しております環境保全型農業は、国における補助事業である環境保全型農業直接支払交付金事業に取り組んでいる生産者のみで、その栽培面積等についてお答えをいたします。 令和3年度は、3団体12生産者、28.6ヘクタール、令和元年度は、2団体10生産者、15.3ヘクタールであったため、微増をしております。毎年新たな生産者の方から問合せをいただき、事業制度等丁寧な説明に努めておりますが、実績数値からも、取り組まれる生産者数、栽培面積等は大きく増加はしておりません。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) そんなに広がっていないということなんですけれども、国の方針もあって、市長も先ほどのような答弁があって、ではどうやって有機農業の農家を増やしていくのか、栽培面積を増やしていくのか、この点はどうでしょう。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 安曇野市といたしましては、国の環境保全型農業直接支払交付金事業の推進、また、肥料価格の高騰に対して化学肥料を低減する取組である肥料高騰対策事業など、補助事業の周知と制度の説明に努めてまいります。 また、有機農業に取り組む経営体への支援として、県が認定するエコファーマー認証取得への支援や安曇野市農業再生協議会を通じ、環境負荷の少ない農業資材やその使い方を研究し、手法等を普及してまいります。 先ほどの市長答弁にもございましたが、最終的に環境保全型農業を選択していただくのは生産者の皆さんであり、安曇野市としても、有機農業に取り組む農業者の拡大に努めてまいります。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 手間のかかる有機農業という話も出ましたが、幾つかの課題があります。1つ目は、収量が確保できるかということ、2つ目は、付加価値のある農作物として高く売れるかということです。1つ目の議論は、今回は割愛します。 2つ目の割高な価格でも売れるのかということ、そのためには、消費者である一般市民への認知をどう広げていくかという点について、既に有機農産物を高価格帯で販売している農家の実例は本市にもありますが、まだ一般的ではない。有機農業への移行を促す端緒として、学校給食の有機化を提案します。具体的には、有機米の導入です。これは令和元年度と2年度に小林純子議員が一般質問をしています。そのときの答弁は、実施は困難というような内容だったんですね。しかし、市は3年度と今年度と1回ずつ給食で特別栽培米を出しているんですね。これは対応の変化と言っていいのか、方針変更はどういう理由からでしょうか、お願いします。教育長ですかね。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) まず、環境に負荷の少ない学校給食センターの運営であるとか、あるいはSDGs等について、教育現場で関心を高めていくということが非常に大切であるという認識を持っておりますし、そんな内容で以前にも答弁させていただいておるところでございます。その視点に立って、本年度6月から7月にかけて、市内全小・中学校の給食で、議員おっしゃる有機米という名称ではございません、中身が少し異なっておりますけれども、特別栽培米というものを提供いたしました。これはおっしゃるとおり、昨年度に続いてでございます。本年度提供ができましたのは、地産地消を推進するために一般会計から地産地消分として217万円余を予算化いたしまして、今回、そのうちの約20万円をこの特別栽培米購入のために、通常購入するコシヒカリとの差額に充てることができたということで実現できたというものでございます。この予算は、今後その他の地場産物についても地産地消の推進のために活用してまいりたいと、このように考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 地産地消分ということで予算がついていたということが一つ大きいんだと思います。予算がついたというのはあるんですけれども、理念が先か予算が先か、私、理念が先かなと、私は理念の部分をちょっとお聞きしたいんですけれども、なぜ学校給食で有機米を取り上げたか。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 先ほども申し上げましたとおり、子供たち、あるいは保護者が環境負荷の少ない農業等について関心を持つことは非常に大切だという認識を持っておりますし、そのために農家の方々が日々努力と工夫を重ねているという、その事実も知らせることは必要であると、そういう認識の上に立って提供しております。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) そのお考えを聞きたかったです。 今回は、持続可能な農業への移行の端緒として、学校給食の有機米導入を提案しています。これを本市の学校給食理念からも考えてみます。この8月に改定されたんですね、理念の1番目に、食品の安全性という項目が足し込まれました。この点から、有機農産物へのシフトをどうお考えでしょうか。これは、教育部長。 ○議長(平林明) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 安曇野市学校給食理念につきましては、平成20年度に制定いたしまして、本年4月1日に改定してございます。第1の安全・安心でおいしい給食づくりでは、食品の安全性の確認がうたわれております。この内容につきましては、食品衛生法に基づく食品衛生検査を行っており、給食食材や調理済みの食品の検査はもとより、給食センターの施設、調理機器や器具、調理員の手など、あらゆるものの拭き取り検査を行っており、そのことについては、安全・安心の給食を提供するに当たり最も基本となることのため、明記したものでございます。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 再質問します。 これまで安全な、衛生でしたか、衛生の部分については述べていたと思うんだけれども、食品の安全性という項目、この部分についてもうちょっと考えをお聞かせください。 ○議長(平林明) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) この理念につきましては、今申し上げたとおりで、そこまでの理念でつくったものでございます。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 有機米導入に当たり肝腎な費用について、市内小・中学校の給食で1日当たりの米の使用料は約600キロ、通常米だと10キロ3,618円、特栽米だと7,000円と、倍の値段なんですね。差額は先ほど言われたとおり、約20万円。これを年間200日実施すると4,000万円で、簡単に財源は出ない。また、農家もすぐそこまで供給できない。では、学期に1回、年3回だとどうか。差額分約60万円、お米は約1,800キロ、さらに月1回だと、年12回、240万円、お米は7,200キロ、こういったスモールスタートはどうでしょうか。昨今の社会状況から、給食費は据え置きです。では、財源はあるのか。農水省に確認したところ、ありました。みどりの食料システム戦略推進交付金の中に有機農業産地づくり推進事業というのがあって、学校給食に有機農産物を取り入れる際にも活用できるとのことです。県内では有機給食先進地の松川町や辰野町が活用していますので、これは調べていただきたい。 年3回とかぐらいだったら財源は何とかなるんじゃないかなと思っているんですが、次に、生産者について、市内には先進的な取組を行う米農家がたくさんいます。アプローチしてみました。それぞれ慣行栽培だけでなく、特栽米や有機米も取り組み、手応えを感じておられます。彼らは出口さえはっきりとあれば、1回分600キロ特栽米は作れるというふうに話してくれました。出口、すなわち相応の値段で購入する先がはっきりとあるということです。 ここで、みどり戦略に戻ります。今回のみどり戦略は、これまでのような生産者の支援だけでなく、調達、生産、加工、流通、そして消費までを一貫して支援していくシステム戦略です。脱化学肥料、有機農業の推進を生産者だけに任せるのではなくて、出口からも支える、消費する側からも支える、その最も安定した購入先が行政です。行政による公共調達で消費の部分を支える、この出口戦略があれば、安曇野の子供たちのためにより安全・安心なお米を生産し、かつ売価が通常の倍の値段となる有機米を作ろうという米農家さんは出てきます。学校給食の有機米を学期に1回、そしてやがて月1回というふうに、現実的なところから増やしていけないでしょうか。もう一度、教育長、お願いします。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 先ほど来申し上げているとおり、給食で提供している特別栽培米は、購入価格との兼ね合いがございますので、本年度は予算が可能になったということで1回実施したところでございます。議員のおっしゃることも十分理解できるんですけれども、そもそも私どもが提供している100%安曇野産のコシヒカリ、これも検査基準をクリアした十分安全・安心なおいしいお米であると、このように認識しておりますので、今後のどのぐらい増やせるかということについては、先ほどの私の理念といいますか、そんなものに基づいて年1回程度続けていければなと、それが最大限現在お答えできる状況でございます。 以上です。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) もちろん今普通に食べている通常米も安全・安心でおいしいんですよ。だけれども、では何で市は年に1回出したのかということですよね。それは先ほど教育長自身が言われました、そのことを。それを増やしていけないかということなんですね。今後、本市がこの方向へ進むために不可欠なことは、消費者、つまり我々市民への有機農業の認知を広げることです。まずそれを学校でやっていく、これは先ほどの教育長の言葉とも重なりますが、なぜ有機米を導入するのか。今年度も給食で出しているんですけれども、あまり話題になっていない。なぜ有機米を導入するのか、このことだけでも総合学習のテーマになるんです。環境を考慮して取り組む農業者がいること、そこで生産された農産物を積極的に学校給食で活用すること、有機米の導入が安曇野の水環境や生物多様性の保全、ひいてはSDGsの達成に貢献することなど、子供たちや保護者に理解してもらいましょう。 そこで、子供たちに有機米を作る米農家の話を聞く機会を学校の中でつくれないでしょうか。お願いします。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 前回も今回も特別栽培米を提供する際には、これは月1回の安曇野の日という日に出しているわけでございますけれども、児童生徒には給食だよりというクラスに配られるお便りに、安曇野市には農薬や化学肥料を極力抑えた作物を工夫と努力によって栽培している農家があるんだと、このことをしっかりと知らせるために、今回、今日のお米はそういう努力によってできたものなんだからしっかり味わって食べましょうというメッセージを発信しておりますし、保護者に対しても、学校給食予定献立表のメニューのところに、解説であるとか一口メモの中でそんなようなことも加えて、ぜひ農家の努力と環境負荷の少ない取組について関心を高めてもらおうという、その努力はしております。 議員御提案の生産者との交流給食、これは安曇野で全ての学校でもぜひ実施していきたいという願いでいるわけですけれども、コロナ禍でなかなか前に進まないという現状もございます。関係部局との連携もございますけれども、時期を見て取り入れていけたらなという思いはございます。 以上です。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 慣行農業がこれだけ盛んな中で、やっぱり有機でいこうという農家さんたちはいるんですよね。ぜひそういう人たちの思いを子供たちに聞かせてあげたいなという思いです。 さて、最後に、市長に質問いたします。 環境負荷を低減する持続可能な農業への移行と、その端緒として学校給食米を有機米にということで、この取組から広がるまちづくりとシチズンプライド、これは私、シチズンと書きましたけれども、シビックプライドについてです。 ここで市民の声を紹介します。私の今回の一般質問の発言を読んで、市民がメールをくださいました。実名オーケー、豊科の小畠千奈都さん、小学生と保育園児の2児の母です。私は、無農薬米を共同田んぼで作っています。一人ではできないけれども、仲間と共にお米作りを体験し、作業に出た分はお米としてもらえます。田んぼでは、おじいちゃん、おばあちゃんたちに交ざって子供から若い人もみんなが関わって活動できるんです。地域の多年齢の方々と交われるのは幸せだなと思います。無農薬米を作ることにも意味はあるけれども、こんなふうにコミュニティーがもっと発展していくのもうれしいなと思っています。今はまだ自分たちのために作っていますが、作った中から少しでも地域の学校に届けたいと思いました。いつかそんなふうに市民として少しでもよりよい社会への一助になれたらうれしい、誰だって誰かの役に立ちたいはずだし、それが子供たちの給食だなんてすごくいいなと思いますということです。 このメールをもらって、私、安曇野ブランドとは何だろうなと考えたんです。水がきれい、山がきれいというのが安曇野ブランドなのではなく、そのきれいな水を守るために自分たちの農業の在り方を見直そうという農業者たち、その農業者を支援するための食料システムを構築する行政、その予算を認める議会、この母親のようにまちづくりに関わろうとする市民、そして、今は享受する側の子供たちもそのことの意味と価値を学び、やがてこの安曇野を担っていく大人になる、そういった安曇野の人々こそが安曇野のブランドではないでしょうか。給食の有機米から展開する安曇野のまちづくり、こんな安曇野に暮らせてよかったなと、そう思えるシビックプライドが高まるんだと思います。市長の思い、お聞かせください。たくさん言ってください。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今のお話は非常に参考になる話だと思っております。私の実は公約の中にも、言葉は正確ではございませんかもしれませんが、有機農業の拡大ということを申し上げたことがございます。それで今、特に先ほど議員からは小学生とかの対話という話がありましたけれども、私のところの水田、実はもう20年近く前から合鴨農法の方にずっと委託しておりまして、その方、まだコロナの前でございますが、地元の保育所の、こども園の園児さんたちが来て、その合鴨のいるところを見ながら有機農法と申しますか、合鴨農法のやり方について聞いていたという話は、その生産者から直接話を聞いております。そういった形で、小さいときからそういった形の農業に親しむというのは、これは必ずしも有機農法に限らず、安曇野における農業の重要さから考えても非常に大切なことだと思っております。 そんな意味で、今年初めての試みでございますが、穂高にありますあおぞら保育園、そこの中で、園庭の中に田んぼを造りまして、そこで稲を育てるということをやりまして、その刈取りが近々ございまして、私も教育長も行くことになっております。そういった形で、本当に小さいときから安曇野の中における農業、今回は米作りでございますが、そういったことに関わることによって関心を持つことが可能だという具合に思っています。 そして、有機の拡大につきましては、今ほど教育長、あるいは農林部長からの答弁にもありましたけれども、これは教育委員会の所管ですので私からはあまり口を出しませんが、もうちょっと増やしてもいいのかなというのが正直な感想ではございます。さっき言った国の交付金の活用というものは当然視野に入れて、そういった予算案のつくり方も考えていければなという具合に思っています。 いずれにしましても、今回国が言っているのも、実はシステムという言葉を使っておりまして、生産と実際の流通、消費まで一貫した体制が必要でございます。これについては一朝一夕にはできないものでございまして、全てのというとなかなか難しいんですね。だから、さっきスモールスタートという言葉を議員は使われましたけれども、その考え方を念頭に置いてじわじわ広げていくというのが、僕はまさに有機農法にふさわしいやり方かなという具合に思ったのが、そういうことでございます。 以上です。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) ありがとうございます。 実は、私が出した原稿には、原稿フリーでお願いしますと書いていたんですけれども、原稿なしで言っていただいてありがとうございます。 今回の質問は、減農薬や減化学肥料を訴えているので、ともすればこれまでの農家の方たちをちょっと否定してしまうように受け取られたかもしれません。私の支持者の方たちも、たくさん慣行農業でやっている方はいます。しかし、この安曇野の田園風景をつくり、安曇野のブランドをつくってきてくれたのは、間違いなくこのような農家さんたちです。その農家さんたちへのリスペクトの思いを最後にお伝えして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(平林明) ここで暫時休憩いたします。 再開時間は、午前11時30分からといたします。                             (午前11時22分)--------------------------------------- ○議長(平林明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。                             (午前11時30分)--------------------------------------- △臼井泰彦 ○議長(平林明) 続いて、8番、臼井泰彦議員。持ち時間は20分以内といたします。 臼井議員。     (8番 臼井泰彦 登壇) ◆8番(臼井泰彦) 8番、臼井泰彦です。 今回は、3つの大きな質問をいたします。 まず初めは、旧統一協会及び関連団体との関係についてです。 最初に、旧統一協会と関連団体、どのように認識しているかについて、市長に伺います。 一般質問通告書では「旧統一協会」としていますが、旧統一協会は2015年に、「世界基督教統一神霊協会」から現在の名称に変更しました。しかし、反社会的カルト集団、カルトというのは簡単に言えば、信仰を利用して犯罪行為をするような反社会的な集団・組織ということになりますけれども、そういう反社会的カルト集団であることに変わりなく、政府が名称変更を認めたこと自体が不当ですので、今回の質問でも「統一協会」といたします。ここで協会の「協」は、2015年以前と同じ協力の「協」の文字を使用します。 なお、統一協会被害者家族の会でも同様にしています。 質問通告書の中で、霊感商法対策弁護士連絡会のところでは協会の「協」が教育の「教」になっていますけれども、それは被害者弁護士連絡会のほうで使っている使い方になります。 さて、前置きが多くなりましたが、統一協会は霊感商法や高額献金、集団結婚など、信者や家族の生活や人生を破壊し、人権に反する反社会的カルト集団であることが明らかになっています。 安曇野市にも統一協会あるいは関連団体の拠点があり、信者となって被害を受けている方がいるとお聞きします。安曇野市民が直接被害を受け、市民の身近なところで被害が起きていることから、安曇野市民にとって重大な関心事であると考えます。 さらに、政治的には勝共連合として、選挙では各地で統一協会の名前を隠し、ポスター貼り、ビラまき、電話がけなどをやるだけでなく、相手候補のポスターを破り、相手候補を誹謗中傷するビラを配る活動もいとわずやるといいます。昨年の総選挙では、安曇野市でも反共謀略ビラがまかれました。また、信者の信教の自由を侵害する特定候補者の投票を指示する内部文書が流れるなど、選挙をゆがめ、政治に深く関わってきました。 このような統一協会とその関連団体を安曇野市としてどのように認識しているのか、市長に伺います。
    ○議長(平林明) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 今、安曇野市としての認識という御質問でございましたが、私個人の認識として、あるいは市長としての認識で申し上げます。 社会的に問題が指摘されている団体との関係、これは、市民に疑念を持たれることがないよう、市政において十分に留意していかなければならないと認識しております。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 反社会的カルト集団というふうに私は言いましたけれども、その中で統一協会が霊感商法、高額献金、集団結婚などの信者や家族の生活や人生を破壊して、人権に反する集団であるという認識についてはどうお考えか、伺います。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 全ての宗教においては、その宗教の内心的な自由を求める教義ではなく、その現れとしてのものについては、私は反対でございます。したがいまして、統一教会あるいはその関連団体が行っているような行為そのものについては反対でございます。教義については、私の関知するところではございません。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 教義について、私も関知するところではありませんけれども、教義に基づいてこのような活動をしているということですので、それはもうしっかり認識していただきたいとお願いいたします。 それから、選挙についても、新聞報道などでも政治家や首長が関係しているということが報道されていて、そしてそこでは、専門家に言わせますと、勝共連合という形で、統一協会とは全く別の組織であるかのように選挙活動に入ってくるということですけれども、そこの辺の政治の面の勝共連合についての認識はどうでしょうか。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 通告された質問と異なることを前提の上にお答え申し上げますけれども、勝共連合については、私、学生時代から、周辺でいろんなことがあったことは存じております。臼井議員も御存じかと思いますが、統一協会に対する裁判を闘っている弁護士の中で、長野県で一番活発にやっている松本の弁護士は私の50年来の友人でございまして、その方とも何回も話してございますけれども、具体的に反社会的な行為については私は反対でございます。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 次の質問にいきます。 市長選挙において、統一協会及び関連団体との関係があったのかということです。 長野県では、統一協会が2人の市長の市長選挙に関わったことが報道されています。昨年10月の安曇野市長選挙において、先ほどの答弁からは、太田市長の陣営ではそのような団体との関係はなかったと確信しますけれども、統一協会は協力者を装って選挙応援をし、当選後、自治体行政に関与していくことが目的です。そして、さらに自分たちの勢力を拡大していくと、そういう団体ですので、当選後でないと関与が分からないことが多いと思います。 では、市長にお答えお願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 一切関係ございません。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) そのようなお答えになるかと思いましたけれども、市民もそのお言葉を聞いて安心をしたと思います。 3つ目は、市長になってから、関連団体主催の行事・イベントの役員になる、そこで講演をする、挨拶をする、メッセージや電報を送る、関連団体の出版物に寄稿する、取材を受け記事になる、対談が載ったなどの関係があったのかどうか。 県や長野県の市町村でも、統一協会や関連団体主催との関係が報道されています。太田市長は、先ほど来からの答弁からも、そういう関係はないと思われますけれども、太田市長になる前からの市の行政の関係もありますので、改めて伺います。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 質問にございました市長になってからの関連団体主催の行事、イベント等云々かんぬんに関して、全く関係ございません。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 先ほどの答弁と同様、市民もしっかりそこのところを聞いて、安心の気持ちだと思います。 4つ目、過去に、市及び教育委員会、指定管理者など関係外郭団体と反社会的カルト集団・統一協会及び関連団体との間に、寄附金を受け取ることや、企画の後援・共催、施設の貸与をする、広報への広告掲載などの関係があったのかどうか、市長と教育長に伺います。 なお、今回の一般質問では、施設貸与についての答弁は、関連文書の保存期間が5年間であること、また、答弁のための調査が職員の通常の事務執行に大きな負担になってはいけないので、公民館施設に限定し、期間も3年間としましたので、説明を補足します。 では、お願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) ただいまの私に対する質問につきましては、総務部長から答弁をさせていただきたいと存じます。 ○議長(平林明) 平林総務部長。 ◎総務部長(平林洋一) お答えいたします。 これまで、旧統一協会やその関連団体が行う行事等に対し、後援、共催、協賛並びにメッセージなどの送付については、過去3年間に遡り調査した結果、確認されておりません。金銭、物品等の寄附につきましても、同様に確認はされておりません。 以上です。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) まず、施設の貸与でございますけれども、地域公民館の貸館業務において、令和元年度以降を調査いたしましたところ、旧統一協会及び関連団体と思われる利用はありませんでした。 次に、教育委員会の後援・共催につきましては、先日公表しましたとおり、1件確認しております。令和3年度に世界平和女性連合長野第2連合会から後援申請がありました。女子留学生日本語弁論大会第20回長野県大会の後援を承認したものでございます。 以上です。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 市においては、この3年間についてはなかったということで、市民も安心したと思います。 3年以前の問題、それから今後について、また質問を続けます。 なお、関連団体への調査方法ですが、例えば教育委員会も、新聞報道によると、関連団体として霊感商法対策弁護士連絡会の関係団体リストなどによる点検をしたというように報道されていましたけれども、方法については、そのようなリストを基に点検を求めたのかどうか、再度お聞きします。 ○議長(平林明) 平林総務部長。 ◎総務部長(平林洋一) 対策弁護士連絡会のリストを基に調査をしております。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) したがって、先ほども言いましたが、公民館以外の施設や、教育委員会以外の所管の施設の調査について、その期間についても、3年以内に入っていない期間についても調査するのかどうか、調査してもらいたいと思いますけれども、そういう今後の調査、それから調査結果の報告の予定がもしありましたら教えてください。 ○議長(平林明) 平林総務部長。 ◎総務部長(平林洋一) 今後の対応については留意してまいりますが、それ以上遡っての調査は、今のところ考えてはおりません。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 今後の調査、遡っての調査は考えていないということですけれども、文書が残っていて、それから今回は、教育委員会に関係しては、公民館施設に限定した調査をしたということですので、それ以外の施設について、しっかり調査を求めますけれども、教育長はどうですかね。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 教育委員会におきましては、文書保存期間の5年間のものをその後全て調査しておりますが、地域公民館では利用がなかったことを確認しております。 なお、先ほど報告いたしました日本語弁論大会、これは穂高交流学習センター「みらい」を貸与いたしました。それ以外については、同様に5年間調査いたしておりますが、なかったことを確認しております。 以上です。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) ありがとうございます。 次に、5番目の質問ですけれども、教育委員会については関係があったわけですけれども、これが協会による被害の継続や拡大につながった可能性があるということで、そういう認識を持っているとしたら、自らの行為を反省して謝罪すべきと考えますが、どうでしょうか。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 今回、社会的に問題が指摘されている関連団体が主催する活動に対して後援を承認いたしましたが、このことについては重く受け止めております。 以上です。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 反社会的カルト集団との関わりに不安と、時には恐怖や怒りを感じている市民にとって、教育委員会がしっかり反省をして謝罪するということは、今後にも大きな期待を持って、頼もしく思っていくことだと思いますので、そこのところはしっかり、市民に向かって反省、謝罪をすべきじゃないかと思いますが、どうでしょうか。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 重く受け止めているという中身を御理解いただきたいと思いますが、今後は一層慎重に審査するよう努めてまいります。 以上です。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 最後に、今後、市及び教育委員会、指定管理者など関係外郭団体は、旧統一協会及び関連団体と一切の関係を持つべきではないと考えますけれども、先ほども決意を言っていただけたとは思いますけれども、再度確認いたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今後とも、市民に疑念を持たれることがないよう、十分な留意をしてまいります。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 市民等から共催・後援の申請があれば、安曇野市教育委員会の共催及び後援等に関する取扱基準に基づいて、教育委員会において厳正に審査いたします。審査に当たりましては、事業内容はもちろんのこと、申請者、主催者、協賛者等の情報についても、これまで以上に慎重に調査・検討してまいります。 以上です。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 7番目に、旧統一協会及び関連団体による被害を受けた市民、その親族から相談を受けてきて、そうした窓口を開設することの必要性を感じていたのではないかと思いますが、市では9月8日のホームページで、政府が統一協会の問題に関して、9月30日まで相談集中強化期間とする電話相談窓口を開設していることを案内していますが、この相談窓口の受付時間が平日9時半から5時と。市民の中には、電話ではなく直接話を聞いてもらいたいという方もいらっしゃると思います。また、平日9時半以前、あるいは5時以降で、窓口延長期間のある日に窓口で相談したいという方もいらっしゃるでしょう。そうした市民のために、たとえ政府の相談窓口を案内する結果になったとしても、相談窓口を設けてほしいと思います。 既存の窓口に「統一協会相談窓口」といった看板を掲げるだけでも、市民は安曇野市がしっかり取り組んでいるなと感じ、安心感を持つと思いますが、市長、どうでしょうか。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 従来から、この霊感商法等の悪質な商法につきましては、市の消費生活センターにおきまして注意喚起を行っております。受付については、5時になったから打ち切るというような対応は、多分僕はしないと思いますので、そこら辺は現場において配慮してまいりたいと思っております。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) ぜひ、窓口に看板を掲げるだけでもやっていただきたいと思います。 それで、今も答弁ありましたように、これまでも窓口でそういう相談があったということですが、もし被害の状況について把握をしていることがあって、今お答えできたらいただきたいと思いますが、ありますかね。 ○議長(平林明) 平林総務部長。 ◎総務部長(平林洋一) お答えします。 現時点までにおいて、その被害とおぼしき相談は2件寄せられていると認識しておりますが、実質の被害に対する相談までには至っていないというように理解をしております。 以上です。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) ありがとうございました。 引き続き、しっかり市民の安心・安全を守る立場でやっていただきたいと思います。 次に、大きな2番目の質問で、新型コロナウイルス感染症とその抑止対策について。 1つ目は、これまでの安曇野市の新型コロナウイルス感染症感染者の第7波、6月から8月の年代別人数、自宅療養者数、入院者数、宿泊療養者数、死亡者数の推移や、医療機関や介護施設、こども園、幼稚園、小・中学校における感染状況はどうだったのか、保健医療部長に伺います。 ○議長(平林明) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 安曇野市の感染者の年代別状況について6月から8月までの状況は、全体で4,138人で、80歳代以上が202人で4.9%、60から70代が433人で10.5%、40から50代が1,245人で30.1%、20から30代が1,057人で25.5%、10代が570人で13.8%、10歳未満は631人で15.2%という状況になっております。 医療機関や介護施設については、市町村ごとに公表がされていないものですので、安曇野市の状況は分からない状態です。 長野県内では、オミクロン株による感染者数が急増し、医療機関や高齢者施設における集団的な感染も継続して発生している状況となっております。 入院等の状況は、9月13日午後5時現在の数字でございますけれども、長野県全体では入院が263人、宿泊療養者が81人、自宅療養者が6,406人、調整中が1,302人となっている状況でございます。 以上です。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 教育委員会の関係なんですけれども、それについてもお答えいただきたいと思うのですが。 ○議長(平林明) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 教育委員会関係は私のほうから御説明させていただきます。 市立認定こども園、幼稚園の感染状況でございます。感染症数は248人、そのうち職員は23人、休業延べ園数といたしまして32園、そのうち休園は1件、学年閉鎖は2件、クラス閉鎖は29件でございます。また、市立小・中学校の感染状況につきましては、感染者数553人、そのうち教職員は34人、休業延べ学校数といたしましては27校、うち学年閉鎖3件、学級閉鎖24件でございます。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 国内の感染者数が8月後半から減少傾向にありましたけれども、重症者数は増えていないが、減ってもいない。それから、死亡者数については、上がり下がりはあるものの、全体的に増える傾向にありました。8月までのところですけれども。その辺、今後もしっかりやっていただきたいと思うんですが。 2番目に、安曇野市の感染状況、全国的な傾向と同じと考えると、特に今年になってから、国の対策が私は不十分だと思いますけれども、そういう状況で、安曇野市でも第7波を招いたのではないかと考えます。これまでの国や県の対策をどのように評価するのか、市長に伺います。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 県は、国との協議の上、また、必ず事前に市長会、町村会の代表等を含めた形で協議の上、様々な施策を行ってきたところでございまして、市もその県に協調しながら感染防止、あるいは感染された方への医療対策等を行ったところでございます。 基本的な感染防止対策の徹底、それからワクチンの接種、医療機関等の負担軽減に向けた取組など、命を守るための対策を推進しておりまして、国及び県の対策については、感染拡大防止、それから暮らしと経済の両立、医療体制の逼迫の回避、病床使用率の抑制といった課題に対しては、必要な対策・支援等を行ってきていると、一定の評価をしているところでございます。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 最後に、今後、国・県、市として、どのような対策が必要かということですけれども、早期に第7波を抑止して、早期治療で死亡者を出さないと、そういうことが一番大事かと思いますけれども、次の波を起こさない、そして医療の危機を起こさない、そして社会活動も経済活動も回復につなげるということを目指してどのような対策が必要か、市長に伺います。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今述べたことと重なりますけれども、今後も国・県と連携いたしまして、感染拡大防止と社会経済活動の維持、この両立を図りながら、様々な対策、支援等を実施することが重要と考えておりまして、市長会など様々な機会を通じて、安曇野市としての意見、要望等もしていきたいと考えております。 個々の基本的感染予防対策の徹底、重症化リスクが高い方とその家族などの関係者に対しましては、感染リスクが高い場面を避けるなど、そういった行動を引き続きお願いしていくことになります。 また、ワクチン接種につきましては、国・県と情報を共有しながら接種体制の確保を図るとともに、市民に対する情報提供を行いまして、円滑な実施ができるよう推進してまいりたいと考えております。 新規陽性者数の急増等に伴います医療体制の逼迫を回避するための対策は、国・県が主体となって行っておりますので、それに協力したいと思っております。 安曇野市といたしましては、関係機関と情報を共有し、県が実施している取組について周知するとともに、市民の不安に対して対応してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。 最後の質問になります。安倍元首相の国葬についてです。 9月27日に安倍元首相の国葬が行われる予定になっています。国葬には国民の評価が分かれているのに、国民全体に故人への敬意と弔意の強制につながること、憲法に保障する思想及び良心の自由に反すること、安倍元首相のみを国葬とする合理的な説明がなく、憲法の法の下の平等に反すること、法的根拠がないことなど、幾つもの重大な問題があり、中止すべきと考えます。そんなことは国のやることだと言う方もいるかもしれませんが、どうでしょうか。 岸田首相は、国葬当日、各府省で弔旗の掲揚や、葬儀中の一定時刻に黙祷による弔意表明を行うとしました。国から、都道府県や都道府県教育委員会には何らかの通知が出るでしょう。都道府県と教育委員会は、市町村や市町村教育委員会に「参考までにお知らせします。あとは自分たちで考えて」という内容の通知を出す可能性があります。それに忖度して弔意の表明することも考えられます。今の状況を見ればそう思います。安曇野市においても、他人事ではないと考えます。 そこで、国葬について、安曇野市として中止を求め、弔旗や半旗の掲揚や葬儀中の黙祷など、弔意の表明も要請もしないことを表明すべきと考えます。市長と教育長の見解を伺います。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 先ほどの大竹議員の質問に対しまして、総務部長からも答弁申し上げましたが、今、県からは何も来ておりません。 そういった中で、まず私の個人の感想を申し上げますと、このような個人の葬儀に対する弔意の表し方、これについてはまさに安倍元首相に対して弔意を表明したい方、哀悼の意を表明したい方が個人で判断するべきものでありまして、行政が強制することは私はしないことがよろしいというふうに思っています。 いずれにいたしましても、弔旗、半旗、こういったものの掲揚については私は今のところ考えておりません。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) これまで、文部科学省や県教育委員会からの通達等は一切ございません。市教育委員会が所管施設に対して、弔意に関する指示や要請も全く行ってきておりません。現在のところ、今後についても同様に、指示または要請を行うことは考えておりません。 以上です。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 先ほど市長のほうからは、安倍首相に対する国民の思いがそれぞれありますので、そういうことを尊重するということを言われました。それを、岸田首相は8月10日のときには、先ほども言いましたけれども、「故人に対する敬意と弔意を国全体として表す儀式だ」と述べました。ここで国というのは、国民主権の日本では当然国民という意味も含みます。国民全体として、故人に対する敬意と弔意を表す儀式だということです。これは、憲法19条の思想及び良心の自由に反する弔意の強制になります。 ここの、それぞれの意識に反して、それぞれの思いに反して、このような岸田首相が言っている、そういう思いで今回の国葬を行うということでありますので、やはりそれは国民の思想及び良心の自由に反するものだと思いますけれども、その辺についての見解がありましたら、市長、お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 先ほど申し上げましたように、今回の安倍元首相の死去に伴います弔意の表し方は、それぞれ国民一人一人の意思に基づくものであろうと考えております。私自身は、安倍元首相の非業の死に対しまして深い哀悼の意を表しますが、これは私の個人でございまして、市としての対応は考えておりません。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 今回は安倍元首相の国葬であります。これまで、首相経験者の葬儀のように、内閣・自民党葬のようにしない、そして安倍元首相だけを国葬にするという決定をしているわけですけれども、合理的な理由を示していない、それに対してね。ですから、安倍元首相だけを特別扱いするというのが今回の国葬です。 これ、憲法14条の法の下の平等に反することだと思いますけれども、そのことについて御見解がありましたら、市長、お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 先ほど申し上げたことに尽きております。 ○議長(平林明) 臼井議員。 ◆8番(臼井泰彦) 今回は、法的根拠がないということで、かつて、戦前には国葬令というものがありましたけれども、戦後、日本国憲法に反するということで、国民主権の下で国葬令が失効しました。 岸田首相は、内閣設置法を根拠としていますが、これは内閣の所掌事務の範囲を示しているだけです。法的根拠法にはなりません。法治国家の日本で国葬を実施することは、政治を法の支配から時の政権の思惑によって支配する無法国家にするものです。 このような問題があるにもかかわらず、9月8日に行われた閉会中審査では、岸田首相は丁寧な説明と言いながらそれまでの説明を繰り返し、質問にまともに答えないことから、国民の批判が日々高まっていると考えます。 10日に行われた信濃毎日新聞の緊急調査では、「国葬反対」が68%、「賛成」が16%でした。昨日のNHKの調査でも、「国葬を評価しない」が57%、「評価する」が32%でした。これが、日々批判が高まっている中で行われた調査であります。 このような問題を含んだ国葬、私としてはぜひ中止をしていただきたい。そして、全国的にも、先ほど……。 終わります。 ○議長(平林明) ここで、昼食のため暫時休憩いたします。 再開時間は、午後1時10分からといたします。                              (午後零時04分)--------------------------------------- ○議長(平林明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。                              (午後1時10分)--------------------------------------- △林孝彦 ○議長(平林明) 続いて、13番、林 孝彦議員。持ち時間は20分以内といたします。 林議員。     (13番 林 孝彦 登壇) ◆13番(林孝彦) 13番、林 孝彦です。 通告に従いまして、一般質問を行います。 豊かな生活環境、文化都市安曇野、そして田園幸福都市安曇野を実現していきたいと思っております。 さて、私は、質問事項は3件あります。 まず、1件目の質問事項は、福祉センターや児童館や市営住宅の再配置についてです。 市にはたくさんの公共施設があり、公共施設再配置計画10年計画(令和4年度版)、一般財源ベースには各施設の今後の扱いに関する計画が記載されています。たくさんの種類の施設の中でも、特に市民の関心の高い福祉センターや児童館や市営住宅を取り上げます。 福祉センターは、旧町村単位で市内5地域にあります。地域の住民、特に高齢者や障がいをお持ちの方に配慮した施設で、入浴施設、つまりお風呂が利用できます。豊科以外の4センターが公共施設再配置計画10年計画の表に出ています。 児童館は、安曇野市には9館あります。子供たちの遊び場として、また、小さなお子さんと保護者同士の交流の場として利用されていて、行事やイベントも開催されています。新旧を含めて11施設が公共施設再配置計画10年計画の表に出ています。 市営住宅と特定公共賃貸住宅合わせて、いわゆる市営団地に関しては、市営住宅は、公営住宅法の規定により安曇野市が国の補助を受けて建設した、所得が一定額以下の住宅に困窮している方を対象とした住宅です。特定公共賃貸住宅は、特定公共賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき、地方公共団体が国の補助を受けて建設、供給する住宅で、中堅所得のファミリー向け賃貸住宅です。追分団地と塔の原団地があります。これらの15団地が公共施設再配置計画10年計画の表に出ています。 それでは、具体的に4つの質問を、一問一答形式にていたします。 まず1つ目は、総論的な質問です。 福祉センターや児童館や市営住宅の再配置の目標と取組はどうでしょうか。 それでは、市長と教育長にお答えお願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 公共施設再配置計画、もともとは平成28年6月の策定でございますが、限られた財源を有効活用していくことを目的とした計画であると承知しております。 運用に当たりましては、公共施設再配置計画10年計画を毎年公表しておりまして、令和4年度版は今年の3月15日に報告をしているところでございます。 具体的な施設の統廃合、それから改修等につきましては、市の政策との関連を考慮しながら実施計画、あるいは予算査定の中で検討してまいりたいと考えております。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。
    ◎教育長(橋渡勝也) 教育委員会の所管施設におきましても、施設の統廃合や改修等については、再配置計画を踏まえた上で、市の政策との整合性などを吟味して、適切に進めてまいります。 以上です。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 次に、2つ目の質問です。 市内5地域の福祉センターの改修を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 市内5地域の福祉センターに関しては、豊科以外の4センターが公共施設再配置計画10年計画の表に出ていて、改修計画が記載されています。 穂高地域福祉センターは、令和5年度と6年度に改修計画の予定です。 三郷福祉センターは、令和4年度の改修計画どおり、現在、大規模改修を行っています。工事期間は、2022年7月1日から12月31日までで、工事内容は、照明のLED化、床の全面張替え、屋根・外壁の再塗装、お風呂修繕等です。 明科総合福祉センターは、令和4年度に改修計画の予定です。どうなっているでしょうか。 堀金福祉センターは、令和5年度から7年度に改修計画の予定です。これらの改修計画は、予定どおり着実に実行されるでしょうか。 また、豊科老人福祉センターは、公共施設再配置計画10年計画の表に出ていません。このセンターは市の所有ではなく、社会福祉法人安曇野市社会福祉協議会--略称は安曇野市社協--の所有だからです。市は、一定の運営補助金を支給して支援をしていますが、大規模改修の場合には費用は安曇野市社協の持ち出しとなりますし、入浴施設、つまりお風呂のボイラーを取り替えたくても、なかなか簡単にはできないわけです。しかし、このセンターも老朽化していますので、改修が必要だと思います。 なお、堀金福祉センターは、市と安曇野市社協との区分所有ということで、市は一定の運営補助金を支給して支援をしているようですが、複雑なことになっています。そして、市の所有の穂高と三郷と明科の福祉センターは、安曇野市社協に指定管理をお願いしていて、修繕や改修の場合には、一定額以上の場合は市が負担し、その額より低い場合は指定管理者が負担するという契約になっています。 市内5地域の福祉センターは、市民・住民にとっては所有形態によって運営形態が異なっていることは分からないことです。住んでいる地域によって、福祉センターのサービスが著しく異なることはよくありません。公平で平等なサービスの提供が期待されていますが、市はどう対処していくつもりでしょうか。 それから、このことについて考えてみますと、旧5町村が合併して安曇野市が誕生したときに、市内5地域の福祉センターの所有の問題も含めて、統一的な計らいをしてこなかったことが今の問題を招いていると思います。どのようにこの問題を解決していくつもりでしょうか。 公平で平等な市民サービスの提供のためには、市内5地域の福祉センターの改修は必要で、着実に実行されていくことが必要です。現状と今後の取組を伺います。 それでは、福祉部長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 福祉センターの入浴施設の利用状況等でございます。昨年度、全体で2万6,225人ということで、各地域において一定の需要がございます。 福祉センターの運営費用の負担方法には、先ほど議員がおっしゃられたとおり違いがございますが、それは市と社会福祉協議会との問題でありますので、施設を御利用いただいている皆様には何ら格差のないサービスを提供させていただいているものと考えております。 施設の老朽化が進んでいるため、利用者に御不便をおかけしないよう、改修計画を今後の予算、また実施計画等に位置づけて整備を進めてまいります。 また、各地区の福祉センターについては、これからも5地域それぞれに維持していくべきものと考えております。今後どうしていくのか、また、市の費用負担も含めまして、安曇野市社会福祉協議会と議論をしてまいります。 この件に関しましては、先日、社会福祉協議会と新年度予算の打合せをさせていただきました。その折にも社会福祉協議会と双方で同意をしております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 5地域の住民の皆様に公平な、そして平等なサービスがなされることを願っておりますので、よろしくお願いいたします。社会福祉協議会との連携もよろしくお願いします。 次に、3つ目の質問です。 児童館の改修や新築・更新と子育て支援拠点施設の強化を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 豊科中央児童館は、公共施設再配置計画10年計画では令和6年度と7年度に譲渡または廃止と記載されています。以前から懸案となっていて、移転新築の話もありました。 新豊科児童館は、令和7年度と8年度に新築・更新計画と記載されています。これは、豊科中央児童館の代替ということでしょうか。移転新築か、同じ場所での建て替え建築なのでしょうか。 また、堀金児童館は、令和9年度と10年度に改修計画と記載されています。この改修計画は、予定どおり着実に実行されるのでしょうか。 そして、高家児童館は、令和6年度と7年度に譲渡または廃止と記載されています。高家児童館の機能や役割はどのように継承していくのでしょうか。 児童クラブは、豊科南小学校等に移転して行われていますが、スペースも含めて、受入れの余裕がないように思います。児童クラブは、通年では受け入れてもらえなくても、長期ということでは夏休み中など、安曇野市社協の豊科支所を活用しているくらいです。児童クラブとは別に、高家児童館の児童館としての役割の継承はどうなるのでしょうか。 なお、市議会から市行政になされた政策提言で、児童館には子育て支援拠点施設としての強化を要望しているわけで、特に幼児とその保護者への支援を提言していますので、児童館の改修や新築・更新と子育て支援拠点施設の強化は密接に関連しています。児童館の改修や新築・更新と児童館での子育て支援拠点施設としての強化の取組はどうでしょうか。現状と今後の取組を伺います。 それでは、教育部長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 児童館の大規模改修や新築・更新につきましては、安曇野市公共施設等総合管理計画及び安曇野市公共施設再配置計画に沿って進めております。 御質問の公共施設再配置計画10年計画に記載の豊科中央児童館の廃止につきましては、豊科中央児童館と高家児童館を統廃合する計画で、本計画につきましては、現在の子供に関する政策や児童クラブ等の館の活用状況を踏まえ、本年度より検討を始めることとしております。現在、準備を進めているところでございます。 児童館に係る施設の再配置計画について、特に3歳未満児に対する支援についての考えとのことですが、令和元年度に策定しました子ども・子育て支援事業計画では、児童館を地域の子育て支援拠点と位置づけ、乳幼児及びその保護者が相互の交流を行うこととしております。また、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行い、在宅で子育てをしている家庭の孤立化防止や育児による精神的ストレスの軽減につなげることとしております。 これらにより、老朽化した児童館については、建て替えなども視野に入れ、整備の検討を行っていくこととしております。 再配置計画につきましては、この計画との整合性を吟味し進めたいと思います。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 ただいまおっしゃってくださったことに再質問いたしますが、高家児童館と豊科中央児童館、統合されるということですが、場所的には、今まであるところを活用されるのか、全く新しいところを御検討か、お教えください。 ○議長(平林明) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) それらも含めまして、検討を開始するということでございます。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えありがとうございました。 次に、4つ目の質問です。 市営住宅の改修や新築・更新を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 市営住宅と特定公共賃貸住宅合わせて、いわゆる市営団地に関しては、これらの15団地が公共施設再配置計画10年計画の表に出ています。 市営住宅に関しては、新田西原団地は令和11年度と12年度に新築・更新計画の予定で、アルプス団地は令和4年度から6年度に譲渡または廃止の予定で、柏原団地は令和5年度から10年度に改修計画の予定で、一日市場団地は令和10年度に改修計画の予定で、ファミーユ柳瀬団地は令和4年度と令和7年度から9年度に改修計画の予定です。 特定公共賃貸住宅に関しては、追分団地は令和4年度から7年度に改修計画の予定で、塔の原団地は令和8年度から10年度に改修計画の予定です。これらの改修計画は、予定どおり着実に実行されるのでしょうか。現状と今後の取組を伺います。 なお、令和4年6月定例会において、市営住宅穂高団地改修工事請負契約は可決されましたが、改修と建て替えの手法については費用対効果の議論がありましたので、今後は同様なものでは慎重な対応が必要だと思います。 それでは、都市建設部長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 今吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(今吉聡) 市では、公営住宅等を安全で快適な住まいとして長きにわたって確保するため、安曇野市公営住宅等長寿命化計画を策定しています。 市営住宅の維持管理については、この計画に基づいて、計画的な修繕や耐久性の向上等に取り組むこととしています。また、市営住宅の整備については、既存の市営住宅の整備方針を「長寿命化」、「リノベーション」、「建て替え」、「用途廃止」の4つに区分しています。 概要でありますが、長寿命化を行う団地として田沢ほか6団地、リノベーションを行う団地として穂高と柏原の2団地、建て替えを行う団地として新田西原と七日市場の2団地、用途廃止する団地としてアルプスほか3団地としています。 次に、現在の取組状況です。 長寿命化を行う団地としては、現在、追分団地の外壁・屋根の修繕を行っており、今年度はB棟を対象に実施しています。リノベーションを行う団地としては、現在、穂高団地の改修を行っており、今年度は4棟を対象に実施しています。用途廃止する団地としては、現在、アルプス団地の除却に向けて準備を進めており、今年度、住宅棟4棟の解体工事に着手する予定です。 今後の予定でありますが、引き続き、安曇野市公営住宅等長寿命化計画に基づいて整備を進めてまいります。 なお、市営住宅の整備に当たっては、入居者の移転を伴うため、計画的な入居管理や説明会の実施等により、事業を円滑に実施できるよう努めてまいりたいと考えています。 以上です。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 今後の改修と建て替えの手法については御検討いただければと思います。 1件目の質問事項については以上です。 次に、2件目の質問事項は、こども園留学と子育てワーケーション等で移住促進と人口増についてです。 北海道の保育園に首都圏から家族連れが殺到しています。人口3,500人の過疎町、北海道厚沢部町です。2022年8月22日と9月11日のヤフーニュースによると、2021年11月に始まった保育園留学というサービスが要因だということです。 保育園留学とは、未就学児を持つ家族が、厚沢部町に1から3週間程度移住滞在して、町が運営する移住促進住宅、短期滞在者用住宅で暮らしながら、子供は地元の町営こども園「はぜる」で思いっ切り遊び、保護者はワーケーションを行うという取組です。子連れワーケーションです。保護者は、町内の短期滞在者用住宅の中に設けられているコワーキングスペースで仕事をします。週末には、プログラムに含まれている野菜の収穫などの食育体験に参加できます。 ほかにも、子育て支援が実り、十勝エリア唯一の人口増につなげた北海道上士幌町や、「北海道住みここちランキング」第1位で、子ども医療費無料、起業に補助金など制度充実で人口増加につなげた東川町などがあり、子育て支援を核としたまちおこしが参考になります。 それでは、具体的に3つの質問を、一問一答形式にていたします。 まず1つ目は、総論的な質問です。 こども園留学と子連れワーケーション等で移住促進と人口増を提案しますが、目標と取組はどうでしょうか。 それでは、市長と市民生活部長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) ただいまのこども園留学のシステム、北海道の厚沢部町の例、御紹介いただきました。 興味深い事例だというふうに思っております。ただ、現在、安曇野市の認定こども園の受入状況を申し上げますと、本年4月にようやく待機児童問題が解消されたところでございまして、直ちに、このような状況の中では本市以外からの園児を受け入れることは難しいかということも考えております。 ワーケーションそのものは、移住・定住促進、あるいは関係人口の増加を図る上で非常に重要な施策でございまして、穂高地域などで宿泊施設を中心とした民間の皆さんが、ワーケーションの取組を始めております。意見、要望を伺いながら、本市にマッチした取組を支援をしてまいりたいと考えております。 ○議長(平林明) 山田市民生活部長。 ◎市民生活部長(山田真一) 関係人口創出や移住促進を図る上で、子育て世代の受入れは必須であり、子育て世帯に向けた仕掛けは有効と考えております。 子育て世代に安曇野市を知っていただく手段として、今年度、子育て専門誌で広告宣伝を行う予定でいます。また、首都圏で子育てをテーマに移住セミナーを開催するなど、安曇野市の子育てについて積極的にPRしてまいります。 安曇野らしいワーケーション、リゾートテレワークが整い次第、子育て世代に移住先として選んでいただけるよう、県内外に積極的にPRしてまいります。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 次に、2つ目の質問です。 市テレワークセンターの充実と市コワーキングスペースの創設を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 令和2年6月定例会の一般質問で、コロナと共生する収束後の対応ということで、テレワーク、つまり遠隔勤務の促進とコワーキングスペース、つまり専用の個室空間ではなく、共有型のオープン空間で個別の仕事や勉強に取り組む場所の設置のことを伺いました。市は、今後もテレワークの充実を図るとの答弁と、コワーキングスペースは今後研究するとの答弁でした。 コロナは今もまだ蔓延していますが、時は流れています。市の研究も検討も進んでいることを期待してきました。市テレワークセンターは、実績のある塩尻市振興公社に業務委託し事業を進めていますが、自立して独自の運営ができるようにならなければなりません。市テレワークセンターの充実と、市コワーキングスペースの創設の現状と今後の取組はどうでしょうか。 それでは、市商工観光スポーツ部長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) それでは、お答えいたします。 安曇野市テレワークセンターは、新たな就労機会の創出、とりわけフルタイムで就労が困難な方にその機会を提供しております。 テレワークセンターを運営するためには、ワーカーを取りまとめるリーダーや業務全体を取りまとめるディレクターなど様々な役割を担う人材の育成のほか、企業と連携した仕事の確保など管理運営を統括する組織体制が必要となります。安定的な運営を図るためにも、当面の間は現在の体制を維持してまいりたいと考えております。 テレワークセンターは、令和元年に開所して現在に至っておりますが、産業振興への効果、雇用の創出等の観点から、テレワークセンターの果たす役割を再確認する時期に来ていると考えております。 また、コワーキングスペースについてですが、コワーキングスペースの設置につきましては、既に民間事業者の取組が始まっておりますので、市はこれを支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 市テレワークセンターの深化を期待いたします。それから、コワーキングスペースは民間のみならず、市も旗を振ってやるくらいの意欲を持って進めていただきたいと思います。 次に、3つ目の質問です。 過疎債で明科北と明科南の認定こども園を充実させ、移住受入れを提案しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 安曇野市は、自然保育を推進しています。安曇野の豊かな自然環境や地域資源を生かしながら、自然保育を通して、子供が自ら自分らしく伸びていく力を信じ、見守り支える保育となっています。 長野県が2015年にスタートさせた信州型自然保育認定制度において、安曇野市は市内全ての認定こども園が認定を受けています。また、市内には屋外での保育をメインに実施する認可外保育施設が多数あり、その数は全国トップクラスです。これらの施設に通う家庭にも、市独自に保育料のサポートを行っています。これらの子育て支援の充実と魅力の発信によって、移住受入れを積極的に推進したらどうでしょうか。 なお、令和2年国勢調査の結果、旧明科町地域の人口減少率などが、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法、略して過疎法の要件に該当したとして、一部過疎地域となったことが令和4年4月1日に公示されました。この過疎法に基づく支援措置としては、過疎対策事業債、略して過疎債や、国庫補助率のかさ上げなどの財政支援が設けられています。 市では、こうした支援の活用と明科地域の発展のため、過疎地域持続的発展計画の策定作業を進めています。明科地域は、この過疎債を活用してのまちおこしができます。その中の一つとして、明科北と明科南の認定こども園を充実させ、魅力のある保育ということで、こども園留学と子育てワーケーション等での移住促進と人口増につなげたらどうでしょうか。 それでは、政策部長と教育部長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 渡辺政策部長。 ◎政策部長(渡辺守) 私のほうからは、過疎債についてお答えをさせていただきます。 国では、過疎債の対象となる事業を区分ごとに示しております。認定こども園もハード事業の区分の中に明記をされておりますので、過疎対策の目的に資する御質問のこども園の増改築等なんですけれども、必要な事業であれば過疎債の活用は可能でございます。 以上です。 ○議長(平林明) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 明科南認定こども園でございますが、まだ完成したばかりで、新しい施設でございます。また、明科北認定こども園におきましては、議員おっしゃられましたとおり、自然保育特化型という既に特色ある保育を実施しているところでございます。 御提案の件につきましては、参考にさせていただきたいと思います。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) 2件目の質問事項につきましては以上です。 次に、3件目の質問事項、駅駐輪場屋根設置と駅無人化再検討と「あづみん」等の改善、充実についてです。 市議会で採択されている陳情の施策への反映について、令和3年3月定例会の一般質問で、有明駅と安曇追分駅駐輪場の屋根の設置についてと、安曇追分駅無人化の再検討と検証について伺いました。 市には市議会で採択されたことを受け止めていただき、実現に向けて取り組み、努力していただいています。公共交通関連の利便性等が少しでも向上することを願っています。 そのほか、公共交通を充実させて足の確保を図るためには、「あづみん」等様々な公共交通手段の改善、充実が必要です。「あづみん」定時定路線バス、近隣市町村のバスとの接続、JRとの接続などの工夫や充実が必要です。また、周遊バスを拡大した巡回バスの導入なども期待されています。 それでは、具体的に4つの質問を、一問一答形式にていたします。 まず1つ目は、総論的な質問です。 駅駐輪場屋根設置と駅無人化再検討と「あづみん」等の改善、充実の目標と取組はどうでしょうか。 それでは、市長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 幾つかございましたので、順次申し上げます。 まず、駅駐輪場の屋根でございます。 現在、陳情のありました有明駅と安曇追分駅につきまして、設置準備を進めているところでございます。そのほかの駅につきましては、地域の方々の要望を伺いながら、必要に応じ検討を進めてまいりたいと考えております。 駅の無人化につきましては、引き続き委託によりまして駅員の配置を継続してまいりたいと考えております。 「あづみん」をはじめとする安曇野市の公共交通は、鉄道、定時定路線バス、タクシーなど幾つかの移動手段から成り立っております。こうした移動手段が連携し、必要に応じて選択できるような環境を構築していくことが重要でございます。特に、安曇野市の公共交通の核となりますデマンド交通「あづみん」につきましては、今年の11月からリニューアルを予定しておりまして、サービスレベルの底上げを図る予定でございます。 鉄道駅や「あづみん」を充実させることによりまして、より便利で使い勝手のいい公共交通を目指してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 次に、2つ目の質問です。 有明駅と安曇追分駅駐輪場屋根の早期設置を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 市議会の平成28年12月定例会で採択されている陳情の施策への反映について、令和3年3月定例会の一般質問で伺いました。その中で、有明駅と安曇追分駅駐輪場の屋根の設置は、早くても令和4年度になるとの答弁でした。交渉を続けていただき、努力していただいていますが、なかなか実現しません。現状と今後の取組と見通しを伺います。 それでは、都市建設部長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 今吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(今吉聡) 有明駅と安曇追分駅の駐輪場屋根設置に向けた取組につきましては、本年度は用地測量が進められるよう準備しております。併せて、建築確認申請の窓口であります松本建設事務所建築課に相談しながら、JR東日本との協議を進めておりますが、接道要件を満たすにはどうすればよいかなど調整に時間を要しております。 このような状況から、実施時期につきましては、協議中であることからお答えできませんが、いずれにしましても、早期に地域の期待に応えられるよう引き続き調整を進めてまいります。 以上です。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) 次に、3つ目の質問です。 安曇追分駅等6駅の無人化再検討の現状と今後の取組はどうでしょうか。 先ほど市長のほうからお答えいただきまして、継続してくださるということでありました。これからも、継続のための予算をつけていただける中で、利便性、安全性、地域の活性化のためにも無人化ではなく、有人でお願いしたいと思います。 それでは、商工観光スポーツ部長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) それでは、お答えいたします。 現在、6駅とも安曇野市簡易委託駅連合会に乗車券類発売業務を委託しておりまして、朝7時から正午まで、乗車券販売業務及び駅舎の管理業務を行っております。現時点では、次年度におきましても本年度同様に、連合会への委託を考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) 次に、4つ目の質問です。 乗合タクシー方式のデマンド交通「あづみん」等の改善、充実を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 「あづみん」の土曜日運行の開始、車両の増車と増便、予約の取りやすさの改善、到着時間の見える化などの改善、充実が令和4年11月から実施されるということですが、これらは予定どおり着実に実行されるでしょうか。市民への周知が重要です。現状と今後のさらなる取組を伺います。 また、公共交通を充実させて足の確保を図るには、定時定路線バスのさらなる充実や近隣市町村のバスとの接続の工夫、例えば明科での池田のバスや生坂のバスや、松本市のバスとの接続の工夫やJRとの接続の工夫や、周遊バスを拡大した巡回バスの導入などはどうでしょうか。 それでは、政策部長にお答えをお願いいたします。 ○議長(平林明) 渡辺政策部長。 ◎政策部長(渡辺守) 今年の11月から、デマンド交通「あづみん」のリニューアルを予定しております。まず、人工知能(AI)を活用した予約管理システムの導入によりまして、予約受付と同時に、お迎え予定時刻と目的地への到着予定時刻をお知らせすることが可能になります。このため、長時間外出先の屋外で「あづみん」をお待ちいただくといった状況は改善される見込みでございます。 また、専用のスマートフォンのアプリから予約が可能となりまして、より手軽に「あづみん」を御利用いただけるようになります。 なお、これまでどおり、電話での予約も受け付けてまいりますので、アプリの利用が難しい方はお電話でお申込みが可能となっております。 また、利用者からの御要望が多かった「あづみん」の土曜日の運行を、実証実験として3か月間行います。期間中の利用状況を踏まえまして、令和5年度以降の土曜日運行について検討してまいりたいと考えております。 また、予約をお断りすることが多かったエリアへ新たに2台の車両を配置し、車両の運行体制も充実させてまいります。 先ほど申し上げましたように、予約時にお迎え時間と到着時間が確定いたしますので、JRなど他の公共交通機関のダイヤを考慮の上お申し込みいただくと、これまでに比べてよりスムーズな乗り継ぎが可能になるものと考えております。 引き続き、デマンド交通「あづみん」を中心に、そのほかの交通も含め、交通ネットワークの充実に取り組んでいきたいというふうに思います。 以上です。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 土曜日運行を実証実験されるということでありますが、それが仮に定着した場合には、その後、今度は日曜日運行ということも検討の視野に入ってくるかと思いますが、その辺のお考えはいかがでしょうかということを伺いたい。 それから、巡回バスについてのお考えもお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(平林明) 渡辺政策部長。 ◎政策部長(渡辺守) まず、日曜日運行につきましては、まず、これから土曜日運行を行いまして、その実証の結果を待ってから判断をするということでお願いしたいと思います。 それから、巡回バスの御質問ですけれども、これに関しましては、昨年の5月に地域公共交通会議、また協議会におきまして、運行しないということで一応決定がされております。一応その決定がありますので、現在のところ、運行等は検討しておりません。 以上です。 ○議長(平林明) 林議員。 ◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 巡回バスについては、もう一度検討していただくことをお願いいたします。 3件目の質問事項については以上です。 それでは、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。--------------------------------------- △増井裕壽 ○議長(平林明) 続いて、4番、増井裕壽議員。持ち時間は20分以内といたします。 増井議員。     (4番 増井裕壽 登壇) ◆4番(増井裕壽) 4番、増井裕壽です。 通告に従い一般質問を行います。 今回のテーマは、安曇野市かじかの里公園についてです。 私は、かじかの里公園という場所は、安曇野の魅力を全国に発信するために大きな影響力がある公園だと確信しております。なぜなら、北アルプスが展望できる絶景ロケーションと、約16年行ったカジカの養殖事業を通じて市民の水環境意識向上に寄与し、安曇野は自然豊かな場所であること、さらに水の清らかさを体現している場所だからです。 1993年(平成5年)3月の開園より現在では開園29年目になり、来年は開園30周年を迎えます。旧穂高町から始まったカジカの養殖事業は、平成元年にカジカの孵化、養殖に成功し、平成16年夏、施設への落雷による停電により養殖カジカが全滅するまで、約16年間で子供たちを中心に行った稚魚の放流は毎年約3万匹、合計で約13万8,000匹に上ったそうです。そのカジカを近くの穂高川に放流し、カジカの復活を願い、そして多くの子供たちに安曇野の水の清らかさと自然環境の大切さを学ぶ機会を与えてくれました。私もそのうちの一人です。今でも公園に行くと、カジカを放流したときの感動と感触を覚えています。 かじかの里公園の歴史の中で、かつてはカジカの養殖や蛍の放流を行い、現在ではアウトドア・キャンプ事業で、たくさんのお客様が利用されています。 私は、この公園は安曇野の魅力を伝える情報発信拠点として、とても有効な施設だと確信しています。安曇野の自然の豊かさを通じて、市民はもとより、県外者でもアウトドアが安心・安全に楽しめる公園で、まさに市長が掲げる「住みたい安曇野 住んでよかった安曇野」が目指せる場所の一つです。 そこで、来年、開園30周年を迎えるかじかの里公園の未来像をぜひ市長と共有したいと思います。まず、今後の安曇野市かじかの里公園の未来像や、個人的にどんな思いを持っておられるか、市長にお聞きします。 ○議長(平林明) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 かじかの里公園、旧穂高町時代にカジカの養殖等を通じまして、河川美化、それから水質向上への地域の住民の意識向上を図るために、国の村おこしモデル事業を活用して整備された施設と承知しております。 当初の目的は一定以上達成されてきておりまして、現在は市民の皆様の憩いの場、観光振興に寄与する公園として利用されております。特に近年は、キャンプがブームになる中におきまして、利用料金の安さや眺望を含めた立地条件から、キャンプ愛好者の利用者が増えているところでございます。 市営のキャンプ場3施設の中でも、アクセスのよい市街地に位置しておりまして、大王わさび農場や穂高温泉郷などにも近く、市内周遊やアウトドアを楽しむ拠点になっております。 かじかの里公園は、今、質問にもございました私が掲げております安曇野をアウトドアスポーツの聖地にしたいということの推進を考えた中でも重要な拠点の一つとして考えておりまして、来年30年ということでございますので、それも含めまして、今後の整備についても考えてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) 御答弁いただきました。ありがとうございます。 私も家族と一緒によく利用していますが、とにかくお客様の反応が物すごくいいです。これはやはり、さっき市長おっしゃいましたロケーションのよさと、やはりキャンプ料金、大人1泊500円です。これのコストパフォーマンスのよさだと思います。 お客様に話を聞いています。やっぱり、「松本と安曇野エリアで料金が一番安くて、うれしい」、この声がすごく多かったです。例えば、松本市にあるまつもと里山キャンプ場、大人1人2,000円です。4倍違います。安い上にロケーションも文句がない。トイレもきれいに整備されており、少し車を走らせれば駅やパン屋、ラーメン、病院、カフェ、コンビニ、スーパー、さらにしゃくなげの湯、あづみ野ランドの入浴施設もあり、とても使い勝手がいいと思います。これが、私が考えるかじかの里公園の強みだと思います。 次に、教育長に、自然教育や観光教育の観点から、かじかの里をどう感じておられるのか、お聞きしたいと思います。 私は、かじかの里公園という場所は、安曇野らしい自然教育や環境教育ができる、教育的効果があると確信しています。公園に来て遊んで、ナギサの湧水の水の冷たさ、気持ちよく泳ぐニジマス、見たことがない水生生物や昆虫との出会い、名も知らぬ草木や水草、虫の音と木の葉が風に揺れる音、火起こしの達成感、自然の中で食べる特別な時間、漆黒の闇と満天の星空に包まれる夜、安曇野の朝焼けのすばらしさ、親と一緒にキャンプを体験する。自然と遊び、自然を食べ、自然で眠る、そして自然から学ぶ。体を動かし、頭で考え、心に感ずる自然と触れ合う時間というのはとても貴い時間です。 私もこの公園で多くのことを学びました。そうしたことをもっと安曇野の小・中学生がここに来てもらって体験する、体感する機会を増やすことを検討してはいただけないでしょうか。 またあわせて、教育長が感じている「かじかの里公園」の考え方、思いがあれば、ぜひお聞きしたいと思います。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) お答えいたします。 私も旧穂高町時代、公園が建設される当時から、穂高地域の小・中学校に奉職いたしました。かじかの里公園は、安全で安心して自然や水辺の触れ合いができる、すばらしい場所であることはよく存じ上げております。 現在、この公園は、穂高地域の小・中学校が自然学習や環境学習として利用しているほか、認定こども園の散歩コースとしても活用されていて、大変人気のある場所だと伺っております。 私も議員と同じように、この公園が多くの子供たちに利用されていくことを願っておりますけれども、安曇野市を広く見た場合には、様々な特色を持った公園がたくさんございます。各学校の校外学習、あるいは環境学習の計画の中に自然と触れ合う活動のできる場所として、かじかの里公園をも含めて、目的に合わせて、そういったところがより活用されるように願っているところでございます。 以上です。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) ありがとうございます。 私は、改めて市民の皆さんや、またここにいらっしゃる皆さんに、かじかの里のすばらしさと価値を知ってもらいたいと思います。そして、何より安曇野市に、さっき教育長おっしゃいましたよう、数ある公園の中でも特筆すべき、特別、数ある中でも特徴がある公園の一つかなと、かじかの里公園はそういう場所かなと、改めて皆さんに認識してもらいたいと思い、かじかの里1本にフォーカスしています。 次に、商工観光スポーツ部長にお聞きします。 かじかの里公園の利用状況など、現状と今後の課題、さらにこの公園は令和3年4月より、指定管理者制度を導入されています。あわせて、導入した成果などについてもお聞きします。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) お答えいたします。 かじかの里公園のキャンプ場の過去2年間の利用状況は、令和2年度で日帰りキャンプが922件、2,277人、宿泊キャンプが501件、2,256人が利用しております。指定管理者制度導入後の令和3年度でございますが、日帰りキャンプが868件、2,603人、宿泊キャンプが1,602件、3,765人が利用しておりまして、増加傾向にございます。 キャンプ場利用のほか、公園内の池を利用して、地域の子供たちによるニジマスのつかみ取り大会なども、地域の行事として行われております。 課題といたしましては、園内の木製の橋や遊具など老朽化が進んでおり、利用者の安全を確保するため、計画的に改修、改善を実施していく必要があると考えております。 また、指定管理者制度の導入の成果についてですが、指定管理者の創造事業としまして、研修棟への大型トランポリンの設置や子供用自転車のレンタル、売店でのキャンプ用品の販売等を行っておりまして、また、親子連れ等の利用者がより楽しんでいただける環境となっております。 本年度は、キャンプ場利用者向けに五右衛門風呂の設置や、今月17日には地元キャンドル作家と協力したキャンドルイベントを計画しており、市直営の頃には難しかった様々な企画が行われておりまして、施設の活性化が図られ、指定管理者導入の成果が出ているものと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) ありがとうございます。増加傾向ということで、とてもうれしいです。 次に、路上駐車問題についてお聞きします。 キャンプのハイシーズンや公園内で行われるイベント時には、ありがたいことに、多くのお客様がお越しになられます。反面、注意しなければならないのが路上駐車です。特に、ゴールデンウイーク、夏のトップシーズン、そしてイベント時においては現在ある駐車場に収まり切らないほどの車が入ってきているそうです。 路上駐車が増えれば、その分事故の危険性が増えてしまいますし、近隣住民からも不安視をする声もあります。指定管理者さんからも、駐車誘導するスタッフが配置されているようですが、ぜひこのタイミングで駐車場の拡張を検討していただきたいですが、いかがでしょうか。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) かじかの里公園の駐車場につきましては、約50台の駐車が可能でございます。ゴールデンウイークや夏のトップシーズンには駐車場が不足し、管理人が園内の通路に誘導するなどの対策を取っております。園内通路にまで駐車する日は、年間通じて数日のみとなっている状況です。通常は、駐車場が足りている状態であるため、拡張する計画はございません。 以上でございます。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) 分かりました。 次に、公園のシンボルであるカジカについてもっとPRをという質問です。 きれいな水にすむカジカは、心奪われる安曇野の美しい水を象徴する魚です。小さい頃、よくおじいちゃんから、「昔はワサビ田にたんとカジカがいたもんだじ」という話を聞いたことがあります。 過去の一般質問等でも多くの先輩議員が、このカジカの存在意義について取り上げてきました。その中で、ちょうど4年前の令和元年9月の定例会で、小林陽子議員の一般質問において、理事者側から「これまでのかじかの里が取り組んできた活動記録や、カジカの写真等をパネルにして展示し、来場者の皆さんに見ていただければと考えております。」という答弁がありました。 冒頭でも発言したとおり、このかじかの里公園には約16年間の間に、カジカの孵化、飼育、そして約13万8,000匹に上るカジカの稚魚を放流したという実績があり、自然豊かな安曇野市の清らかな水のイメージに大変大きく貢献した、すばらしい場所です。その実績・歴史・価値を多くの人に見ていただき、安曇野ブランド向上につなげてほしいですが、現在のパネル展示についての進捗状況について、商工観光部長にお聞きします。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) お答えをいたします。 これまで、カジカの写真等が展示されていた研修棟でございますが、先ほど申し上げたとおり、現在、指定管理者により創造事業に活用されているため、カジカをPRするためのパネル等の設置は行っておりません。 今後、指定管理者とパネルの設置場所や公園の名前の由来となりましたカジカのPRがどのようにできるのか、協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) ありがとうございます。ぜひ、前向きにお願いします。 公園を利用するお客様の多くは県外の方が多いということで、カジカという魚がどういったものなのか知らない方が多いと思います。全国的に見ても、カジカは希少な生物でもありますし、市内で絶滅のおそれがある野生生物や重要な自然環境の情報をまとめた安曇野市版「レッドデータブック2014」でも、準絶滅危惧種として掲載されています。 県外者へのPRはもちろん、市民の皆さんへの意識変革にも大変有効だと思いますので、ぜひパネル展示の計画を進めてほしいと思います。 私も、安曇野でもともと行っていたカジカの養殖、これをそもそも復活させたいという願いはありますが、やはりどう調べても、技術的に採算的にも、なかなかすぐに実現するというのは難しいです。ただ、そうはいっても、やはりこの安曇野にすむカジカ、これを次の世代に残していくというのはとても大切だと思います。 そこで、私から2つの御提案です。 1つ目は、地元の犀川漁業組合さんと継続的に連携して、カジカが生息しやすい河川環境を整えるということと、カジカ漁の見学や生態系を学ぶということです。漁業組合さんの中には、今でも伝統的なカジカ漁を行っている方がいらっしゃいます。そういう方と継続的につながり連携することで、かじかの里の価値向上につながると思います。 犀川漁業組合や高瀬川でカジカなどの自然観察を実施している池田町の教育委員会にお話を聞いたところ、年々、安曇野周辺で取れるカジカは減少傾向にあるそうです。安曇野では少ないながらも、河川には天然のカジカが生息しています。これを保護していく、増やしていくということなら可能だと思います。 カジカは、水質のきれいな環境でのみ生きているので、河川の汚染を防ぐための清掃活動や、乱獲を防ぐためのわなの制限、禁漁区間の周知徹底や良好な産卵場づくりが必要です。また、市民意識を高めるためにも、継続的にカジカ漁の文化の紹介も必要不可欠だと思います。 準絶滅危惧種のカジカを守るこれらの対策で、何か実現できるものはないでしょうか。こちらは農林部長にお聞きします。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) カジカは清流に生息すると言われ、市内では犀川、高瀬川、穂高川などで確認されております。 カジカの産卵時期は3月から5月中旬頃で、この間が禁漁期間と聞いており、安曇野市では12月から2月に、「うけ」と呼ばれるわなを使用した漁が行われております。犀川漁業協同組合では例年2月頃に、安曇野市環境課と連携し、市民を対象とした自然観察会を開催、希少なカジカの生態や伝統漁法を伝えております。 令和4年2月の観察会は、残念ながらコロナ禍により中止となりましたが、来年2月に開催が予定されており、漁業組合と協力して、カジカの保護や増殖などをテーマに学習を行うと聞いております。 今後も、犀川漁業協同組合で毎年実施しておりますニジマス稚魚放流への支援に合わせて、カジカの適切な漁法や禁漁の時期などの周知に努め、漁業組合と連携してまいります。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) ありがとうございます。ぜひ、継続的な対策お願いします。 カジカは、食べれば絶品な味わいです。隠れたファンもいらっしゃると言われています。数を守りながらも、漁獲可能な範囲で漁をして、食べることを浸透させていけば一定の需要が見込め、産業として成立させることもできるかもしれません。そのような大きな目標を掲げての取組もぜひお願いします。 そして、2つ目は、私は釣りが好きなんですが、釣り人にとって、苦労した釣り上げた魚の思い出を残す方法というのが幾つかあります。今では写真や動画が身近ですけれども、そんな中で、実物として手元に残せる方法はたった1つだけです。それが剥製の製作です。実物だからこそ大きさや形がリアルに残りますし、剥製であれば管理も簡単になります。先ほどのパネル展示に加えていただければ、カジカの紹介にとってとても有効だと思いますが、いかがでしょうか。こちらは商工観光スポーツ部長にお聞きします。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) お答えいたします。 御提案いただいた剥製の展示につきましてですが、先ほど申し上げたパネルの展示とあわせまして、どのようにPRできるのか、実現できるのか、指定管理者と協議してまいります。 以上でございます。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) ありがとうございます。 次に、公園中央にある「かじかばし」についてお聞きします。 かじかばしは、公園内において一番大きな建造物であり、高さもあり、橋を上ったときの見晴らしはとてもいいです。公園の第2のシンボルと言っても過言ではないと思います。 私も小さな頃に、よくこの橋で駆けっこをして遊んでいました。しかし、現在ではこの橋が閉鎖されています。閉鎖に至るまでの経緯をお聞かせください。商工観光スポーツ部長、お願いします。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) かじかばしは、公園入り口から公園中央に架かる大型のつり橋で、公園のシンボル的な施設でございます。鉄骨造のため、構造上問題はございませんが、木製の通行部分が老朽化による腐食等によりまして一部危険な箇所があるため、令和2年9月から、橋自体を閉鎖している状況です。 以上です。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) 御答弁いただきました。 木材部分の腐食により、数年間閉鎖が続いているようですが、今後、この橋はどうなるのでしょうか。復旧してもらえれば、公園の価値も上がりますし、利便性も格段に向上します。何より、「かじかばし」と名前がついていますし、公園のマップや、あとホームページにも橋のことが紹介されています。カジカに次ぐ、公園の第2のシンボルです。このシンボルが閉鎖されているままでは、お客様がいらっしゃったときにがっかりされてしまうかもしれません。 そこで、この「かじかばし」は復旧することができるのか、ぜひ復旧していただきたいですが、御見解をお伺いします。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) 木製部分のみ交換する場合でも、橋全体に足場を設ける大規模な工事となるため、予算措置や工事の方法、時期につきまして検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) 地元では橋の復旧を望む声がありますし、木材を貼った後にペンキ塗りならボランティアで手伝えるよという御提案もいただきました。現在ではクラウドファンディングなど新たな資金調達の方法もありますので、30周年の節目にぜひ橋復旧のため御検討をお願いしたいと思います。 次に、研修棟の利活用についてです。 管理棟の隣には研修棟という建物があります。ここは昔、さっき御答弁でもありましたカジカの写真や紹介など、ちょっとした展示室という利用をしていたと思いますが、今は大きなトランポリンが1つ入っています。ここは、指定管理者とぜひ協議していただきたいですが、安曇野市のかじかの里公園設置及び管理に関する条例の第1条には、「市民及び観光客に交流拠点の場を供するとともに、地域の活性化及び観光の振興に資するため公園を設置する」とあります。現在は、管理棟にも研修棟にも安曇野市の観光パンフレット、あと移住・定住に関するパンフレット、あとカジカに関する掲示物、あるにはありますが、ちょっと少ないかなという状況です。せっかく多くのお客様が利用されているかじかの里公園ですので、ぜひこれからの公園の利活用の展望として、PR積極的に行ってほしいですが、御検討いかがでしょうか。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) 議員述べられたとおり、現状としまして、管理棟には観光パンフレット等を置いて、情報発信をしている状況でございます。しかしながら、御指摘のとおり、それが少ないというようなお話でしたので、今後、指定管理者と協議しまして、研修棟や管理棟に観光、あるいは移住のパンフレット、ポスターなど配架を増やしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) 次に、施設、周りの歩道の補修についてお聞きします。 公園内の石畳の歩道が、経年劣化によって凸凹になっています。一部は砂を入れて平らにしていますが、29年使用している傷みが出ている状況です。そろそろ本格的な補修が必要だと思います。この凸凹が広がると、子供やお年寄りがつまずいたり、ベビーカーを押す際に、キャンプの荷物を搬入する際、転倒してしまって事故やけがにつながりかねません。いま一度点検をお願いしたいですが、いかがでしょうか。 またあわせて、管理棟、経年劣化によってデッキの手すり部分や足場がぐらぐらしている箇所があります。一部では手すりがないところもあり、大変危険です。ぜひ、利用者が今後安心・安全に使えるように、このタイミングでいま一度点検もお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(平林明) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) 指定管理者から、公園内施設の危険箇所等の報告を受けた際には、必要な対応を取っております。 御指摘いただいた園内の石畳や管理棟のデッキ、手すりの不具合につきましては、状況を確認しております。公園内施設につきましては、老朽化により改修が必要な箇所もあるため、危険度や緊急度を考慮しまして、計画的に改修等を行ってまいります。 以上でございます。
    ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) ありがとうございます。ぜひ、補修のほう検討お願いします。 次に、市民有志の皆さんが守り育てている銀座柳の木、2世から挿し木して育てている「銀座柳の木3世」についての現状と今後をお聞きします。 この柳の木は、旧穂高町時代から銀座と安曇野を結ぶ、とても大切なえにしがある木です。今では銀座の柳は有名ですが、もともと銀座には松やカエデ、桜が植えられていました。しかし、地下水の水位が高く、これらの木が枯れてしまったため、どうしたものかと考えたときに、湿地を好む柳の木を植えることになりました。柳はすくすくと育ち、銀座の街路樹のほとんどが柳になりました。 ところが、1923年(大正12年)に関東大震災が起こり、これによって柳が焼失してしまいます。その後、「昔恋しい銀座の柳」から始まる「東京行進曲」のヒットもあり、1932年(昭和7年)、震災復興記念として安曇野産の柳を出荷し、再びその姿を取り戻します。 しかし、1945年(昭和20年)の太平洋戦争の東京大空襲によって、銀座一帯も焼け野原になってしまいます。ただ、このときは数本の柳が残っており、それを基に地元の人々が中心となって、銀座の柳の復活活動が始まります。1984年(昭和59年)のことでした。 そして、1987年(昭和62年)に、「銀座の柳は安曇野産だった」という新聞記事により、当時の穂高町町長が中央区に柳100本を寄贈しました。その返礼として銀座の柳の木2世を受け取り、穂高駅前に植樹され、安曇野に里帰りすることとなりました。 私は、このえにしを大切にしていただきたいですし、3世、4世、5世と、次の世代にもこの柳の木のエピソードや銀座とのつながりを引き継いでほしいと思います。 また、柳の木は水を大変好みますから、湧水が豊富なかじかの里は適地だと思います。 では、改めて銀座柳の木3世の現状と今後について、都市建設部長にお聞きします。 ○議長(平林明) 今吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(今吉聡) まず、銀座の柳3世を育てるに至った経過を御説明します。 穂高駅前広場の維持管理として、銀座の柳2世の剪定を毎年行っていますが、銀座の柳を守り育てる会の代表者から、令和2年度に木が弱ってきているとの連絡がありました。これを受け、市内の造園業者に相談し、肥料、活力剤を与え、腐朽菌部分を取り除くなどの対策を講じたところ、現在は回復に向かっております。 あわせて、将来に向けて銀座の柳を守り育てるため、会の代表者と相談し、共同で3世の育成に取り組むこととなりました。 議員からの説明のとおり、湧水の豊富なかじかの里は適地と考え、昨年5月に挿し木から育てた苗木を植樹いたしました。昨年植樹した苗木は、残念ながらうまく根づかず枯れてしまったため、今年は昨年よりも成長した苗木を植え直し、管理を行っております。 銀座の柳には昭和初期からの歴史があり、その由来を後世に残していくべきものと考え、今後の成長を見守っているところでございます。 以上です。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) 御答弁いただきました。 柳の木は乾燥が苦手ですので、しっかりと活着するまで、指定管理者の御協力を得ながら、定期的な水やりもお願いしたいと思います。私も他人事にならないように、家族で見守りたいと思います。 また、アルマーニの制服で話題となった中央区立泰明小学校では、課外授業として銀座の柳を使った草木染を学んでいます。東京の小学校でも銀座の柳を学ぶ時間がありますので、安曇野の子供たちにも、ぜひこの柳についてしっかりとスポットを当ててほしいと思います。 次に、屋外給水機4基目の設置についてお聞きします。 現在、市内には、屋外給水機(給水ステーション)がANCアリーナとJR穂高駅前に設置されています。今後は、3基目をJR明科駅前に設置予定とのことですが、私は、その次の4基目の給水ステーションを、ぜひ「かじかの里公園」に設置してほしいと思っています。 提案理由は、まず給水ステーションは安曇野のおいしい水のPRに非常に好評だと聞いております。また、昨今の夏の気温状況を見ても、積極的な水分補給は必要不可欠ですし、公園内に設置すれば、夏をはじめとするハイシーズンにおいて、利用者への熱中症予防の対策にもなります。防災の観点からも、避難所として給水機の有効活用もできます。 また、公園という立地から、市民の皆さんの憩いの場、水を囲んでのコミュニティーの創造にもつながります。そして、何よりこの給水ステーションは、かなりおしゃれな仕上がりだと感じています。独特の形状は、全国的に見ても珍しいのではないでしょうか。『                』アート的な側面も感じますので、自然と公園とアートというのは相性がいいですから、設置すればかなりの相乗効果が期待できると思います。ぜひ、4基目をかじかの里公園に設置していただきたいですが、いかがでしょうか。上下水道部長にお聞きします。 ○議長(平林明) 堀内上下水道部長。 ◎上下水道部長(堀内寅生) お答えいたします。 屋外型給水機の設置目的は、マイボトル使用を推奨することで水道水を飲む文化が根づき、このことにより水の地産地消が推進されること、また、これらの取組によりプラスチックごみが削減され、SDGsへの寄与につながることにあります。 よって、屋外型給水機はマイボトル専用として、基本的に外水道のある場所への設置は考えておりません。かじかの里公園内には外水道が複数箇所ありますので、そちらを御利用いただきたいと考えます。 以上です。 ○議長(平林明) 増井議員。 ◆4番(増井裕壽) 分かりました。ありがとうございました。 今回は、安曇野の重要な魅力発信拠点である安曇野市かじかの里公園に絞って質問させていただきました。 現在ではカジカの消滅やターザンロープの遊具がなくなり、かじかばしの閉鎖や歩道の傷みなどがあり、今後一体どうなってしまうのかという、昔の名残を惜しむ声があります。そんな中でも新たな取組として、指定管理者や地元の作家を中心にキャンドルナイトなどのイベント企画や、銀座柳の木3世の若木、アートヒルズミュージアムからお引っ越ししてきたコイたちが、新しい時代をつくろうとしています。 子供からお年寄り、安曇野に移住を考える方まで、幅広く楽しむことができる安曇野になくてはならない大切な公園、それが「かじかの里公園」です。29年の歴史の中にカジカの養殖事業、蛍の放流、そして今ではアウトドア・キャンプ事業と様々な変容期を経て、その時代に必要とされることを果たし、未来を選んできた「かじかの里」だからこそ今後ますます発展していくと思います。 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(平林明) ここで、暫時休憩いたします。 再開時間は、午後2時40分からとします。                              (午後2時22分)--------------------------------------- ○議長(平林明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。                              (午後2時40分)--------------------------------------- △小林純子 ○議長(平林明) 続いて、20番、小林純子議員。持ち時間は20分以内といたします。 小林純子議員。     (20番 小林純子 登壇) ◆20番(小林純子) 20番、小林純子です。 通告に従いまして一般質問を行います。よろしくお願いします。 タイトルは、150年変わらない学校に発想転換・構造転換。 令和2年度の調査によりますと、長野県の小・中学校における不登校児童生徒数は3,802人で、8年連続で増加しており、全国と同様に過去最多となっています。 増加の背景としては、次のように報告されています。休養の必要性等を明示した教育機会確保法の趣旨が浸透したこと、それから、コロナ禍における生活環境の変化により登校する意欲が湧きにくい状況があったことなどを挙げています。つまり、無理に登校しなくてもいいことになったからとか、コロナの影響で登校する意欲が湧きにくくなったからと分析しており、無理して登校しなければならないような学校や登校する意欲が湧かないような学校に課題があるとは思っていないようです。 今考えなくてはいけないのは、学校に行きたくない子供のこと、これはもちろんですけれども、それ以上に子供が行きたがらない学校をどうするか、これではないでしょうか。そこで、私は声を大にして言いたいのです。この150年変わらない学校に発想転換を、そして構造転換をということで質問させていただきます。 150年変わらない学校というのは、みんなで同じことを、同じペースで、同じようなやり方で、同質性の高い学年学級制の中で、教科ごとの出来合いの問いと答えを子供たちに一斉に勉強させる、このベルトコンベア型のシステムのことをいいます。これは哲学者で教育学者の苫野一徳さんが指摘しておりまして、幾つかの著書もあります。ちなみに、学区制が明治5年に交付されてから、この9月4日で150年を迎えたということもありまして、今回一般質問で取り上げました。 150年前、明治政府は、経済と軍事を発展させ、国を強くするために国民の教育が急務と考え、教育制度に効率的な学年別の一斉授業を採用し、今日に至っています。当初の目的であった富国強兵は果たされましたが、時代が変わり、社会が変わり、技術革新が進む中、人々の意識や生活も変わってきたのに、150年前と変わらぬ学校システムでいいのでしょうか。不登校・いじめ・体罰・虐待・小1プロブレム・中1ギャップ・落ちこぼれ・吹きこぼれ・同調圧力・空気を読み合う人間関係等々、今日の学校で起こっている様々な問題は、この150年変わらない学校の構造的な問題と捉えれば、私たちにできることが見えてくるのではないでしょうか。 安曇野市が目指す「たくましい安曇野の子ども」、その具体的な姿としては、自ら動く児童生徒・学び続ける姿勢を持つ教師・地域へ飛び出す学校、3つの重点を定めていますが、これらの教育目標を150年変わらない学校の構造をそのままにしては、もはや実現困難と思われますので、安曇野市の学校の構造転換に取り組むことを提案いたします。 そこで、まず教育長にお聞きをいたします。 150年変わらない学校の構造、みんなで同じことを、同じペースで、同じようなやり方で、同質性の高い学年学級の中で、出来合いの問いと答えを勉強するという古い学校のシステムについて、教育長の見解をお聞きいたします。よろしくお願いします。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 学校や子供をめぐる様々な問題の背景には、いろいろな要因が複雑に絡み合っていると認識をしております。日本の近代教育がスタートして以来、150年変わらない構造的な問題という御指摘に対しては、全てがそうだというふうには私は思っておりません。 しかし、学校は長い間、講義中心の一斉授業であるとか、画一的なカリキュラム、そして授業形態など、変えようと思ってもなかなか変えられずにいるということがあることもまた事実であると思います。今日の変化の激しい時代にあって、知識をどれだけ獲得するかではなくて、学び方であるとか、探求の仕方を獲得する学びへ転換しなければならないということで、現行の指導要領では主体的、対話的で深い学び、そういった授業に変えていくということを求めております。 安曇野市教育委員会所管の小・中学校でも、子供が自ら考え、判断し、行動できる、そういうことを目標に掲げて、「たくましい安曇野の子ども」、そこに今年は「未来を拓く」というのを付け加えたわけですけれども、その育成に向けて日々授業改善に取り組んでおります。市教育委員会も、教育指導室を中心にその支援に当たっております。 こうした教育改革を進めるに当たっては、教師の意識改革が特に必要と考えております。自ら学び続ける教師、これを掲げた背景は、言われたことをやるのではなくて、必要感や意欲が教師自身の中に生まれて、自らが課題に向かっていこうと、そういう姿勢を求めたいと思っております。そのために、学校課題に応じた校内研修費の補助であるとか、あるいは市内の全教職員を対象とした資質向上研修とか、そんなところにも力を入れて取り組んでおります。 学校の状況につきましては、教育委員と共に学校訪問を今年もこれから実施をいたしますけれども、直接学校に足を運んで、教室を見て、子供と教師がどういう授業を展開しているか、その中でよさや課題をしっかりと把握をしてまいりたいと思っております。コロナ禍でなかなか学校に踏み込むことが難しい状況が続いておりますけれども、今時点でも学校は理想とする方向に少しずつ歩み始めているという手応えを私は思っております。 以上です。 ○議長(平林明) 小林純子議員。 ◆20番(小林純子) 理想に向かっての手応えを感じているという御答弁をいただきましたが、今のお話の中で、私もまず、全てがこの150年続く古い学校の教育システムに問題があるというふうにはもちろん思っていません。だけれども、一番変えられるところでありながら、これまでずっと変わってこなかった、変えられなかったという点では、そこに最も着目して取り組んでいかない限りは、今抱えている様々な学校に関わる問題というのは解決していかないというふうに考えています。 教育長のお話の中にいろいろな取組が既に出てきているのですけれども、それらは全て現状のシステムにのった上での対応というふうにしか私には受け止められないのです。今のこの学校の構造、150年続いてきた、続いてきたなりには理由があるのですけれども、その理由を、教師がもうほぼそれを内面化して、この古いやり方でやっていくことにあまり疑問を持たず今日に至っているのではないかと。その中で、子供たちは将来に向けて、自分の存在がこの古い枠組み、システムの中で、とても自由に発揮することができず、苦しい思いをしている子たちが、年々、日に日に増えているんじゃないかなという心配を私はしているところです。 したがって、教育長のお考えというのは、この150年続いてきた、その学校のシステムの底流に流れているものについて目を向けていただいての見解をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 議員がおっしゃっている150年変わらないそのシステムというのは、学校の制度といいますか、学校というものが区切られた教室があって、机、椅子があって、一定数の人数に対して教師が配置されて、そして繰り広げられる、こういったものというふうに捉えることもできるかと今思っておりますけれども。そういった中で、私は、議員がおっしゃる古いシステムの中で、子供たちが非常に自由性を失って、そして苦しんでいる子供たちもいるんだと、そういうがんじがらめの変えられない構造の中では、もはや収まり切れない子供たちがたくさんいるのに、それに対して教師は変わっていないじゃないかという御指摘というふうに受け止めました。その上に立って、私は、変えられないとおっしゃる中に、私は150年たとうとも、変えてはいけないもの、そういうものもあるのではないかなというのが率直な気持ちです。つまりそのことが様々な要因で、なかなかその一番大事にしなければいけないところが動いてしまっているというか、そんなところに私は根本的な問題もあるように思っております。 その変えてはいけないもの、変わらないもの、それは何かというと、私は子供と教師、それから学校と保護者、その間における信頼というものだと思います。その信頼がまさに教育の根底にしっかりとなければ教育というものは成り立たないであろうと。どうもその辺のところが今日、非常にスピード感の速い時代の中で、教師も学校も、保護者も子供も何か流されている中で、しっかりとした信頼の関係が構築されないうちに何か流れていかなければいけない、そんなところに様々なひずみが生まれているのではないかな、そんなふうに思っております。ちょっと抽象的な言葉ではございましたけれども、そんなふうに思っております。 以上です。 ○議長(平林明) 小林純子議員。 ◆20番(小林純子) 子供と教師、保護者、地域社会と学校、この信頼の上に成り立つのが教育という、それはもう基本のことで、私もそれには全く同意です。その信頼を築くための基盤となっているものが変わってきているということなんです。それに気づいてやっていかないと、やっていることがずれていってしまうと思います。 例えば、今、分かりやすいところでお話しいたしますと、学校というこの古いシステムでいくと、みんなで同じことを、同じペースで、同じようなやり方で、同じ年齢の子供たちが、同じ学級で勉強していくと、そして、用意された答えを見つけ出すといった形の学習が長いことされてきた。これによって、これが本当に150年変わらないで今も続いているというところです。 もう一つ、それを裏づけるものとして、その変わらないということからいくと、目に見える形としては、この学校の教室が変わっていないのです。そんな形のことかいと思うかもしれませんが、これは非常に重要なんです。皆さんに思い出していただきたいのですけれども、どんな校舎で、どんな教室で学びましたか。ほとんどの皆さんは、南側に教室が配置されて、北側に廊下というハーモニカのような形の学校だったのではないでしょうか。これも150年変わっていないのです。一時期、階段を挟んで、2つの教室を配置するバッテリー型という教室、それから、オープン型の教室も造られましたけれども、一斉授業になれている、昔のシステムになれている教師には大変不評で、せっかく造ったのに、結局壁や扉をつけてオープンスペースとして使えなくしてしまった学校、私もこういった学校を何回か経験しています。こういったことで、この形に実は、そこに入っている子供たちや先生が大きく影響されてしまっているということなんです。変わらない学校システムという中では、教室なんかも重要なファクターだと思います。そこにいると思考が止まってしまうのです。その形に合わせたことしかできなくなってしまうという。 そういった中で、今求められている教育というのは、効率性であるとか、そういった一人一人の人格の伸長を目指すとか、そういったことに変えていかなくてはならないのですけれども、校舎も変わらない、校舎が変わらないということは、そこで行われる教育のカリキュラムも変わらない、結局何も変わってこないという中で今日に至っているということになります。 ですから、ぜひそこのところを変えたいわけです。校舎が変わらない、そういったシステムが変わらないというときに、ではどうするか、私たちの発想を変えるんです。そういったことでの取組がない限り、現状の学校の中で、今そこに生きている子供たちに最もふさわしい教育というのを用意することはできないと思っております。 そこで、2番目の質問にいきます。そんな中でも、先ほども教育長からありました、いろいろな取組をされている、新たな教育について取り組んでいらっしゃる様子もお話を聞きましたが、もう少し具体的にお願いしたいと思います。 2番目の質問に入りますけれども、学校教育の構造転換としてできることがあるんじゃないかということでお聞きをします。 みんな同じであるべきとか、教育レベルもみんな同じところまで引き上げようという、その発想の危うさに気づくことはできないだろうか。そして、学びの個別化を進めると同時に、共同化、プロジェクト化を取り入れる。それから、子供たちの探究心、好奇心をカリキュラムの中核に据える。以前あった総合学習にも通じるとは思うんですけれども、お仕着せでなく、子供から出てきたものを中核に据える。 それから、通知表のためのテストをしない。子供たちを点数で評価しない。通知表のない学校へというような、こういった取組について、教育部長にお聞きします。また、現在こんなことで取り組んでいることがありますということがあれば、それもお聞きしたいと思います。 ○議長(平林明) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 学校での学習が与えられた問いばかりであると、やらされる勉強となり、与えられた学習でも自らの問いにできれば確かな学びとなります。子供たちが自分のこととして問いを持ち、対応を重ねる学び合いを学習場面で積極的に活用しようとしている取組が市内小・中学校で行われているところでございます。相互尊重、学び合いを中核に、授業の質の向上を目指し、学校が連携し、日常的授業改善に取り組む研修体制を導入した中学校がございます。また、学びの改革に関わる研修の場を、全市教職員を対象に公開しているところでございます。 また、1人1台の端末を効果的に活用した主体的、対話的な学びづくり研究や、学年間の系統性や連続性を生かした外国語学習カリキュラムの研究、一律課題の家庭学習から自ら課題を設定して取り組む家庭自主学習への転換を図るなど、各校の独自性を生かした研究が各小・中学校で推進されているところでございます。 新学習指導要領における評価の観点の改定に伴い、テストだけではなく、日常の学習への取組や学びの過程など、多様な要素で評価をするように評価の改善も行われております。 子供の問い、これを引き出しまして、動き出す探求的な学習は、総合的な学習の時間を中心に地域の人やもの、事に目を向け、特色ある探求活動として各校で展開されております。その子らしい見方、考え方を働かせながら、対象と向き合い、対話を重ねることで、自分たちで解を導き、発信する取組が見られているところでございます。中学生議会では、そういった子供たちの学びの一端を見ることができると考えております。 ○議長(平林明) 小林純子議員。 ◆20番(小林純子) お聞きしました。私のほうで提案した内容については、何か御見解はありませんか。 ○議長(平林明) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 提案した内容といいますと、通知表のないとか、そういうところでしょうか。 ◆20番(小林純子) そうです。 ◎教育部長(矢口泰) それはまたちょっと考えていきたいとは思いますが、ちょっとこの場で何とも申し上げられません。 ○議長(平林明) 小林純子議員。 ◆20番(小林純子) そこのところを今日は一番議論をしたかったところなのですけれども、現時点でお答えがないということなので残念ですけれども。 今お伺いした安曇野市の学校の取組ということでは、大分いい方向で考えておられると思うのですが、時間がないので1つ、問いを引き出すというお言葉があったのですけれども、問いは引き出すものではないのですよ。だから、問いを引き出すというその考え方が、今の学校の取組のマイナスのところだなと私は思います。子供たちの中から問いが湧き上がってくるような学びをしていってほしいということです。それについては、例えば、同じクラスで、同じ学年の子がということではなく、横断的な子供たちの興味、関心を中心に持っていった取組なんかを取り入れるとか、今までと違った形態で取り組んでいくというところに新しい学びが育ってくると思うので、もう少し検討していただけたらと思います。 そこでいくと、宿題をなしにするというようなこともいいと思いますし、通知表のない学校にするということは、もう様々な面で新しい気づき、先生にも、子供にも、保護者にももたらすと思いますので、通知表のない学校への取組なんていうのはぜひ考えていただきたいと思います。子供たちを点数で評価しない、学校の物差しで評価しない、その子を丸ごと認めて、いいところをしっかりと自覚でき、自己肯定感を高めるような、そういった目的の下にこの通知表をなくす取組、そうすれば、先生方もとても学校の仕事の中に余裕が生まれます。余裕が生まれると、新たな発想が湧いてきます。子供たちにも丁寧な対応ができます。こういったことで、通知表のない学校への取組というのを今日の一押しにしておきたいと思います。部長、いかがでしょうか。 ○議長(平林明) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 先ほど御答弁させていただきましたとおり、参考とさせていただきます。 ちなみにですけれども、私が中学だった頃、穂高中学だったのですが、通知表というよりは自己評価でした。自分で成績をつけて、自分で先生に出して、親に出してという、そういうのはやっていたのはちょっと覚えがございます。 ○議長(平林明) 小林純子議員。 ◆20番(小林純子) ぜひ検討していただきたいと思います。非常に効果があると思います。 安曇野市の17校、実は校長権限というのは相当大きなもので、この通知表をどうするか、我が校では通知表をどうしようか、子供の評価、子供の育ちにどう関わっていくかということは、校長裁量でできることなんです。そういったことも含めて、それをしっかりバックアップする教育委員会というのもお願いしておきたいと思います。 3番目の質問にまいります。 150年変わらない学校の構造が続く中で、学校ができる、できない、あるいは正しさだけを問われる場所になっていないか。これについては、先ほどのお話の中ではなかなか見えてこなかったのですけれども、これまで子供たちは先生が持っている正しい答えを見つけて、覚えることが大事とされて、そこには常にできる、できないというその評価がつきまとってきました。同時に先生にも教え、導くものとして正しさが求められる。これは150年、あまりに長く続いてきたので、まるで無意識に先生方や学校を縛っているんじゃないかというふうに思います。その点について、まず教育長にお聞きしたいと思います。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) できる、できない、あるいは正しさを問うということに縛られてはいないかという御質問でございます。先ほどの教育部長の答弁、それから、議員の御発言にも関連するのですけれども、問いは引き出すのではないと、問いは自ら生まれるようにするのが本来だというお話、それは言葉の上ではそうなのですけれども、実際に今、教育現場でどういう教育が行われているか、それを見たときに、うまく問いを引き出しているというふうに私どもは受け取ったのですが、それは子供が自ら問いを見つけて、発言しているというふうに捉えられなくもないと思うんですよ。だから、教育の姿というのは、言葉で表現すると様々な捉え方ができるのですが、やはり現場で行われている教育の姿をお互いにしっかりと見て議論をしないと、私は教育の問題は深まっていかないのではないかなというふうに感じています。 余談になりますけれども、今議会中に福祉教育委員会の皆様方が、市内の小学校1校、中学校1校を訪問してくださいました。コロナ禍で十分な視察はできなかったかもしれませんけれども、そうやって校長と懇談していただいたり、状況を見ていただくということが、真に安曇野市の教育がどうかということを、お互い共通の目線で語ることになるのではないかなと、そんなふうに思っております。できる、できない、正しさに縛られているかどうか、これは私はまさに見てもらいたい。安曇野市の教育は決して、先生方も日々様々な課題と向き合って、日夜奮闘しておりますけれども、そういう中にあっても、決してそんな1つの答えだけを求めるような、そんなことは全てにおいて行われているという認識はございません。 以上です。 ○議長(平林明) 小林純子議員。 ◆20番(小林純子) 誤解があってはいけないと思うんですけれども、全てがそのように行われているということを言っているのではありません。こういう考え方はできないでしょうか、それについて安曇野市の教育現場はどうでしょうかという私は今問いをしているわけなんです。 時間がないので次にまいりますが、この問題では、あらかじめ教育長にお願いしてありますけれども、この問題でさらに深く考えてみたいということで、2つの事例を挙げてお聞きしたいと思います。 1つ目、6年前に起きた事件で、その後現在に至るも改善が見られないと、教師や教育委員会の職員による暴力的な指導により、指導の恐怖と学校や教師への不信感から学校へ行けなくなってしまったという事例。2つ目は、去年のことですけれども、プールの授業中に発生した事故についてです。このプール事故は幸い重大事故には至りませんでしたが、事故後の学校の対応には危機管理意識が全く見られず、保護者からの指摘があるまで教育委員会への事故報告もなかったというものです。これらは公表もされておらず、再発防止に向けての取組もうやむやにやっています。こういったことが、学校や教師の正しくあらねばならないといった、そういった学校のシステムにとらわれた、その発想により改善される方向に向かっていないというふうに見受けられるのですが、教育長はどのようにお考えでしょうか。 ○議長(平林明) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 2つの事例を挙げてという御質問でございますけれども、暴力的な指導により学校へ行けなくなったという、一言でそれをまとめられておりますけれども、なかなか聞いておられる方が一体何だろうということは御理解いただくことが困難だと思いますし。また、2つ目の事例につきましても、個人情報的なことも含まれておりますので、私からは具体的にこの場でお話しできない部分もありますので、そこを御承知の上でお聞きいただきたいと思います。 最初の事例につきましては、学校がやむを得ないと考えた子供を静止するという行為が、本人や保護者の十分な理解や納得が得られないままに、行われなかったのではないかというところに私は問題の発端を感じています。先ほど信頼関係が極めて教育において根幹だと、根底になければいけないという話がございましたけれども、まさにその信頼関係がきちんと構築されていない中で、学校がよかれと思って行った行為も、それが暴力的な指導というふうに捉えられてしまう、そこが残念なことだなと思っております。しかしながら、たとえ信頼関係が中にある中で行われるとしても、大人が子供に対して力をもって制するというようなことは、教育の場において私は排除しなければならないことであるというふうに、この事案を発生当時から思っております。したがいまして、それについては学校に改善を求め、私どもも指導してまいったところでございます。 2つ目の事例については、学校やこども園、今所管しておりますけれども、安全で安心できる場でなければならないということは極めて重要なことであります。そして、学校での活動には常に危険が隣り合わせであるということも認識しなければいけません。予防に努めているところでありますけれども、それでも事故が発生する危険性というのはどこかに潜んでいる。そういう考えに立って、ひやりとした事案であっても、どんな小さいことであっても、全ての小・中学校、園ともに、それを共有して再発防止に当たっているのが現状でございます。この事案については、学校で起きたことについて、子供たちが不安を抱いたまま家庭に帰ってしまったということで、余計に不安を広げてしまったということがございます。やはり危機管理という上においても、子供たちが、あるいは保護者の皆さんが不安を持たないように、きちんと説明することは非常に大事だなということは、このことから教訓として得たことでございます。 いずれにしても、繰り返しになりますけれども、安全で安心で暮らせる場所が学校、園でなければならない、このことはしっかりと認識して、これからも取り組んでまいります。 以上です。 ○議長(平林明) 小林純子議員。 ◆20番(小林純子) 学校は、正しさを教え導くところである、よって、学校や教師は間違ってはならない、正しくあるべきという、これは呪いにも似たものが、この150年の学校の形の中から出来上がってしまっているのではないかと思います。教育行政としては、学校、教師を信頼して任せて、支えるものと理解します。先ほどの2つの事例は、教育委員会が学校や教師を本当の意味で信頼していないために、任せることができず、支えなければいけないところを自己保身になっているのではないかというふうに思われます。きちんとした反省と取組を求めます。 以上で一般質問を終わります。--------------------------------------- △散会の宣告 ○議長(平林明) 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。 一般質問は予定どおり進められ、終了しました。 明日9月15日は、議案質疑と委員会付託を行います。午前10時までに御参集ください。 本日はこれをもって散会いたします。 大変お疲れさまでございました。                              (午後3時19分)...